しかし、実は壁や天井のみではなく、屋根に使用されている屋根材にもアスベストが含まれているものがあると言うのはご存知でしょうか?
皆様も、飛び込み営業などで「アスベストが含まれている屋根材が使用されているからすぐに葺き替えの必要があります!」等と営業をかけられたことがあるかもしれませんね。
そこで今回は、代表的なアスベストが使用されている屋根材の紹介や、実際に危険性があるのかについてご紹介していきたいと思います。
アスベストが含まれている屋根材ってどんなの?
まず安心して頂きたいのは、現在製造販売されている屋根材にはアスベストは一切使用されていません。
その為、最近新築したお宅や葺き替え工事を行った屋根に関しては全く心配する必要はないでしょう。
そもそもアスベストが使われ始めたのは大正時代と大昔のお話なのですが、屋根材として盛んに利用されるようになったのは約50年ほど昔の1960年代の事です。
当時なぜアスベストが多く利用されたのかと言うと、アスベストは
耐久性が高く、耐火性・防音性・断熱性にも優れる上に軽量で安価と言う、まさに屋根材の為の素材と言えるようなものだったからです。
その後、アスベストの健康被害が叫ばれるようになり、1999年に屋根メーカーがアスベスト含有の屋根材の販売を停止し、2004年にはほぼ全てが禁止となったのです。
以下で代表的なアスベスト含有の屋根材をあげてみましょう。
クボタ アーバニー
大きくスリット(切れ込み)が入っている等、ランダムな見た目が特徴のスレート系屋根材です。隅棟周りの役物があるという事で人気もあった屋根材で、1982年~1994年まで販売されていました。この屋根材は、アスベストの規制段階ごとに含有比率を減らして行った屋根材ですので、30年近く使用していると言う屋根では10%程度のアスベストが含まれています。
クボタ コロニアル
クボタのコロニアルは1961年~1986年まで販売されていた非常に息の長いロングラン商品です。見た目的には、現在スレート屋根として非常に人気の高い『コロニアルグラッサ』に良く似ています。ただし、この屋根材は、10~26%と上述のアーバニーに比較しても多くのアスベストが含まれていました。
セキスイ かわらU
この屋根材は『波型スレート』等とも呼ばれた、波打った形に作られたスレート系屋根材です。販売は1975年~1990年まで行われていました。
このかわらUは10~15%程度のアスベストが含まれており、規制によって段階的にアスベストの割合が減っていきました。
1990年には、ノンアスベストの『かわらU』が販売されましたが、販売終了後も在庫を持っている業者がアスベスト含有の『かわらU』を施工している実績もあります。
アスベスト含有の屋根材は意外と多くて驚いたかもしれませんね。
しかし、健康被害が指摘されるまでは非常に有用な材料でしたので、これは仕方ない事でしょう。
上述していますが、近年、製造販売されている屋根材にはアスベストは一切含まれていません。ただし、15年以上前にスレート屋根を施工して、そのままといったお宅であれば、アスベストが含まれる屋根材の可能性もあるでしょう。
どうしてもアスベストが含まれているか心配と言う方は、お気軽にゼファンまでご連絡ください。
アスベスト含有の屋根材だとどんな危険があるの?
ほとんどの方は『アスベスト=危険』と言うイメージをもっていますよね。
確かにアスベストは健康被害を引き起こす非常に危険な物質ではあるのですが、実は『アスベスト含有の屋根材が葺かれているだけでは危険はない!』のです。
一時期、TVなどでも盛んに特集されていたアスベスト問題ですが、あの問題は建物の内装部分に『吹付けられたアスベスト』なのであって、アスベストが含有されている屋根材が葺かれているだけではアスベストが飛散することはなく、全く健康被害には関係ないのです。なぜかと言うと、屋根材に含有されているアスベストは、屋根材の基材となるセメントによってガッチリと密度の高い状態で固められているからです。
実際に建設業労働災害防止協会が発表している『アスベストの分類』を見ても、飛散のしやすさは最もレベルの低いレベル3に位置付けられています。
アスベスト含有屋根材の危険は撤去の時
屋根材としてアスベスト含有の物が使用されていても危険はない事が分かり安心ですね。
ただし、注意が必要なのは、アスベスト含有の屋根材を葺き替え工事などで撤去しようと思った時には、屋根材が割れたりするためアスベストの飛散はあるでしょう。
もちろんこの場合も危険なのは実際に作業を行う職人さんなのですが、撤去の際には防塵マスクを付けるなど法律に則った形で作業を進めます。
しかし、アスベスト含有の屋根材を利用していた住人にとって最も痛いのが、この撤去です。
なぜかと言うと、アスベスト含有屋根材は、非含有屋根材と比較するとその撤去費用が2~5倍も高額になる場合が多く、工事自体の施工費用が大幅に上がってしまう事が考えられるのです。
もちろん、近隣の方へ迷惑をかけるわけにも行きませんので、飛散防止の対策も必要になります。
屋根に葺かれているだけなら問題ない
今回は、健康被害をもたらすアスベストが含まれる屋根材に関して、その危険性をいろいろとご紹介してきました。
本稿でもご紹介している通り、TVなどでも特集されていたアスベストの健康被害に関しては、『吹付けられた』アスベストが飛散してしまう事によるもので、屋根材にアスベストが含有されていたとしても、そこに住む人には特に健康被害などは出てこないという事はわかっていただけましたね。
したがって、飛び込み営業などで「屋根材にアスベストが含まれているから危険です!」等と言われたとしても、そこまで気にすることはなく、逆にそういった恐怖を煽って営業をかける業者は信用できないと思った方が良いでしょう。
アスベスト含有の屋根をリフォームしようと思えば、高額になってしまうのは仕方ありません。
ご自宅の屋根でアスベストが含まれているか、どうしても心配と言う方は、お気軽にグラスビトウィーン までお問い合せ下さい!