屋根というものは、外壁と共に、中に住んでいる人を様々な外的要因から守ってくれるなど、非常に重要な役割を持っています。
例えば、太陽からの紫外線や、台風などの強風、大雨、熱気や冷気、はたまた雹(ひょう)など、普段の生活の中では様々な外的要因が存在します。
そして、それらのダメージから建物を守ってくれる役割を持っているのが『屋根』なのです。
もちろん、これらの機能面以外にも、屋根のカラーによって外観のイメージが大きく変わってくるなど、屋根の塗装は非常に重要なものだといえるのです。
しかし、普段の生活の中では、なかなか屋根に注目することも少なく、屋根の劣化に気づけないという事は珍しくありません。
ボロボロに屋根の塗装が剥がれてしまった屋根などは、雨漏りの危険性も高くなりますし、やはり外観的にも良くありません。
そこで今回は、大切なあなたの家を守ってくれる屋根塗装について、その基本知識をみていきましょう。
知っておきたい屋根の種類と補修について
一口に『屋根』といっても、その形状や使用されている材料には様々な種類が存在します。日本国内では、古くから瓦を利用した屋根が多いため、「屋根=瓦屋根」とのイメージを持っている人も多いかもしれませんね。
以下に、代表的な屋根材の種類を簡単にご紹介しておきましょう。
- 瓦屋根
日本国内で古くから利用されている屋根材です。瓦も和風建築に合う和瓦(陶器瓦、粘土瓦)や洋風建築に合う洋瓦(セメント瓦、コンクリート瓦)などの種類があります。瓦の特徴は、非常に耐久力が高いという点ですが、一方で「重い」という弱点があります。その為、近年の屋根軽量化が注目されている状況下では、瓦屋根は減少傾向にあります。瓦屋根は、塗装が必要ないタイプの物も多いです。
- スレート屋根
スレート屋根とは、薄い板状の部材が並べられているような屋根で、屋根業界では「コロニアル」や「カラーベスト」などの呼び名で呼ばれることが多いです。近年、新築住宅現場では非常に多く利用される屋根となっています。 - スレート屋根は、一般的に約10年程度に1度の再塗装が必要といわれています。
- 金属屋根
金属系の屋根は、近年ガルバリウム鋼板を利用した屋根材が人気ですが、他にもアルミやステンレス、フッ素鋼板やこれらを複合したものなど、様々な種類が存在します。基本的に雪や風などに強い屋根材ですので、北海道や東北地方など寒冷地での利用が多いです。ただし、近年では、耐震対策として屋根の軽量化に金属屋根を利用する人が増えており、屋根リフォーム業界では主役とも言ってよい材料になっています。金属屋根も約10年に1度の再塗装が必要となります。
屋根といっても、大きく分類しただけで上記のように種類が存在しているのです。
当たり前のことですが、屋根材が異なると、それぞれの特徴も大きく異なり、わかりやすいところでは『屋根の重量』に大きな違いが出るのです。
屋根の重量は、重くなるほど重心が高くなり、地震時などに倒壊などのリスクが高くなります。
その為、近年はより軽量や屋根材が注目されている状況にあります。
尚、一般的な屋根の耐用年数について、使用材料によって違いも出てきますが、基本的に30年程度に1度の葺き替え、10年程度に一度の再塗装が必要と言われています。
もちろん、築10年が経過していなくても、何らかの外的要因で問題が生じてしまう場合もありますので、定期的な点検・メンテナンスは欠かさないようにしましょう。
屋根の再塗装が必要と思われるサインは?
上述の通り、屋根は30年程度で葺き替え、10年に1度程度で再塗装が必要とされます。
しかし、再塗装などは費用も掛かるお話ですし「そろそろ必要だと思うけど、まだ雨漏りしていないし…」などと、できるだけ先延ばしにしたいと考える人は多いですよね。
もちろん、これらのリフォーム時期は、単純に経過年数だけではなかなか判断できない問題でもありますので、基本的な劣化サインを知っておき、定期的にチェックするようにしましょう。
屋根の色あせやチョーキング
「新築時などと比較すると屋根の色が薄くなったかな…」「屋根の表面を触ると粉のようなものがつく…」このような状況がみられる場合は、屋根の再塗装の初期サインです。出来るだけ早くメンテナンスを進めることをオススメします。
屋根の塗装面を触った時に、粉のようなものが手につく現象は、チョーキングと呼ばれ、外壁塗装などの再塗装サインともなります。
これは紫外線などによって塗膜が劣化してきた証拠ですので、すぐに雨漏りなどはなくとも、近いうちに雨漏りに至る危険性が高いです。
屋根にカビやコケ、雑草が生えている
築年数が経過した屋根であれば、屋根にコケやカビが繁殖している屋根をよく見かけます。
これは、湿気の多い日陰部分などに多く、屋根の塗り替えサインといえます。
また、屋根のカビやコケは外観にもかなり悪影響を与えますので、早めにメンテナンスを行いましょう。
所々、塗装が剥げている
屋根を見上げた時に、所々塗装がはがれてしまっており、屋根の表面がボロボロになっている部分があれば危険サインです。
この場合、塗装による防水効果は完全になくなっていると考えられ、いつ雨漏りが発生してもおかしくない状況といえます。
屋根の塗装剥がれを見つけたときは、できるだけ早く補修を行うようにしましょう。
雨漏りしてからとなると、関係のない部分の補修が必要になり、莫大な費用がかさんでしまう場合もあります。
屋根材がずれている、欠落している
これは、屋根の再塗装など関係なく、早急に補修が必要でしょう。
特に、大きな地震が発生した後や、台風が過ぎ去った後などに多く、風で屋根材が吹き飛ばされてしまったり、揺れで屋根材がズレてしまい、隙間ができてしまうなんてことがあるのです。
この場合、隙間から雨水が侵入し、建物の躯体まで腐食させてしまう可能性があり、最悪の場合は建物の建て替えなどが必要になるなどの危険性まであるのです。
定期的な点検メンテナンスがメンテナンスコストを下げる!
今回は、屋根に施されている塗装について、メンテナンスの必要性やメンテナンス時期の見極め方などの基本知識についてご紹介してきました。
本稿でもご紹介しているように、屋根や外壁というものは、建物の中に住んでいる人を様々な外的要因から守ってくれる重要な部位です。
特に屋根は、太陽からの紫外線や風雨の影響を真っ先に受ける部分でもありますので、何の点検・メンテナンスも行わなければ、意外と早く劣化が進行してしまうものです。もちろん、塗装に関しては、使用している塗料のグレードなどで再塗装のタイミングが変わってくるものですので、単純に10年に1度再塗装を必ずしなければならない物ではありません。
その為、経過年数だけで再塗装のタイミングを見るのではなく、上述した再塗装のサインを定期的にチェックするようにした方が良いでしょう。
台風や地震など、自然災害によって本来の耐用年数より早く、再塗装が必要になる可能性も少なくはありません。
したがって、屋根は定期的に点検を行い、悪い部分があればできるだけ早くメンテナンスを行う体制を作ることをオススメします。
そうすることで、大々的なリフォームなどのスパンを長くすることもできますので、結果的にメンテナンスコストを下げる事にもつながりますよ!