近年では、ゲリラ豪雨などと呼ばれる局地的な集中豪雨が増えています。筆者が子供の頃も、夏場になると一時的に強い雨が降る…なんてこともありましたが、近年発生するゲリラ豪雨は、本当に強い雨が降り注ぎ、一気に水害にまで発展してしまう…なんてことも珍しくありません。
ゲリラ豪雨は、それまで非常に良い天気だったものが、予期しない時に突然、狭い範囲で集中的に激しい雨が降ることを指しています。そして、非常に激しい雨であることから、一般住宅にさまざまな被害を引き起こしてしまうことがあり、毎年ゲリラ豪雨の後には、「突然雨漏りが始まったのですが…」といった問い合わせが急増してしまいます。
もともと四季のある日本では、ゲリラ豪雨以外にも、梅雨の大雨や台風などによって、住宅が水害に合ってしまう危険が高い傾向にあります。そのため、普段から自宅の雨漏り対策については注意しているという方が多い傾向にあります。しかしゲリラ豪雨は、こういった住宅にすら『突然』の雨漏り被害を引き起こしてしまうような大雨なのです。
そこでこの記事では、夏場のゲリラ豪雨に備えるため、事前にチェックしておきたい住宅の雨漏りポイントをご紹介しておきたいと思います。
ゲリラ豪雨で雨漏りしてしまう原因とは?
それではまず、ゲリラ豪雨のような激しい雨によって「どうして雨漏りが引き起こされるのか?」をご紹介しておきましょう。正直な話、一年中雨が降る可能性がある日本ですから、「普段の雨で雨漏りしないにの、なぜゲリラ豪雨で…」と考えてしまう方も多いと思います。
ゲリラ豪雨のような非常に激しい雨が降った際、住宅で発生する雨漏りの多くは、シーリング(コーキング)の劣化が原因となっている場合が多いです。シーリングは、外壁材と外壁材のつなぎ目を埋める目的や、窓やドアのサッシに生じる隙間を埋めるために施工されるゴムのような素材を指しています。そして、このシーリング材に関しては、紫外線の影響などで徐々に硬化してしまい、亀裂や剥離などの劣化を引き起こすわけです。普段のちょっとした雨程度であれば、きちんと防げるような状態でも、ゲリラ豪雨のように非常に強い雨が打ち付けることで、内部にまで水が入り込み、雨漏りしてしまう…ということが多いです。
一般の方からすれば、「雨漏り=屋根の不具合」と考えてしまうものですが、実は家のいたるところに雨漏りの原因となりうる場所が存在しているのです。そして、「雨漏りは屋根から」というイメージから、そういった場所の点検がおざなりになってしまい、ゲリラ豪雨のような激しい雨で、一気に問題が表面化してしまう訳です。
なお、ゲリラ豪雨による雨漏りは、屋根の劣化や雨樋の劣化などが原因となることも当然多いので、こういった場所の点検・メンテナンスも欠かさずに行っておきましょう。
ゲリラ豪雨で雨漏りさせないためのチェックポイント
それでは、夏場のゲリラ豪雨に備えるため、今のうちに点検しておきたい雨漏りポイントをご紹介していきます。場所によっては、ご自身で確認することも可能ですが、一般の方が目視しただけでは判断がつかない劣化などもありますので、可能であれば専門業者に点検を依頼するのがオススメです。
屋根のチェックポイント
まずは、屋根のチェックポイントからです。屋根は、住宅の中でも最も劣化が早い部分です。そのため、ゲリラ豪雨の非常に激しい雨で一気に劣化が表面化してしまい、雨漏りが発生する…なんてリスクが存在します。
したがって、本格的な夏に入る前には、屋根材にひび割れやズレ、捲れや剥がれなどが発生していないか確認しておきましょう。また、棟板金など、屋根板金に浮きが生じてしまっており、そこから雨水が侵入する…なんてことも多いので、雨仕舞部分の点検も行いましょう。
雨樋のチェックポイント
以外かもしれませんが、ゲリラ豪雨のような非常に激しい雨の場合、雨樋の排水能力を超えてしまうことで雨漏りしてしまう…なんてことも考えられます。
したがって、雨樋の点検もしっかりと行いましょう。まずは、雨樋上にゴミが溜まって排水不良を起こしていないか、継手のズレや外れが無いか、支持金具が歪んで傾斜がズレていないかなどをきちんと確認しましょう。なお、家の庭に雨樋よりも高い木がある、家の裏が山になっていて雨樋上に落ち葉が溜まってしまうことがあるという場合、それを防ぐために防護ネットなどを設置するのがオススメですよ。
窓・ドアのチェックポイント
次は窓やドアの雨漏りポイントです。窓やドアを閉めていれば雨水は入ってこないと考えるかもしれませんが、上述したように、窓枠・ドア枠のコーキングが劣化してしまっていることから雨漏りにつながる恐れがあります。
夏前には、ゲリラ豪雨に備えてこういったポイントの点検は行っておきましょう。
外壁のチェックポイント
外壁が雨漏り原因になるとは思わない…という方が多いと思うのですが、実は外壁からの雨漏りは非常に多いので注意しましょう。例えば、外壁材と外壁材の継ぎ目部分に施工されているシーリングが劣化してしまっている場合や、外壁材の亀裂部分から雨水が侵入してしまうということは多いです。また、外壁塗装の劣化も雨漏りを誘引してしまいますので、注意してください。
本格的な夏に入る前には、家の周囲をぐるっと回ってみて、外壁部分に劣化が生じていないかを確認しておきましょう。
ベランダや屋上のチェックポイント
ベランダ部分も雨漏り原因となることが多いので、チェックが必要です。そもそも、住宅から突き出た場所になりますので、雨の影響を非常に受けやすいのがベランダです。床面の亀裂や笠木の浮きなどから水が侵入してしまう場合があるので、注意が必要です。
また、陸屋根を採用している住宅は、屋上部分の防水機能の低下から雨漏りしてしまう恐れがあります。特に、ゲリラ豪雨の場合、屋上に大量の雨水が降り注ぎますので、排水が追い付かずに雨漏りしてしまう…なんてことも考えられます。排水口周りの劣化や屋上防水の状態などもきちんとチェックしておきましょう。
まとめ
今回は、これから迎える本格的な夏に備えて、ゲリラ豪雨で雨漏りさせないため、今のうちにチェックしておきたいポイントをご紹介してきました。近年の日本の夏は、年々猛暑化していると言われており、毎年のようにゲリラ豪雨や集中豪雨による水害が発生しています。
水害と聞くと河川の氾濫などをイメージするかもしれませんが、一般住宅で発生する雨漏りに関しても、水害のうちに入る…と考えなければいけません。特に、普段の雨程度であれば、雨漏りにまで発展することはない…なんて場合でも、ゲリラ豪雨の激しい雨であれば、一気に劣化が拡大してしまい雨漏りになってしまう…なんてことも多いです。
なお、ゲリラ豪雨の際に雨漏りがおきた場合、しばらく様子を見て「激しい雨じゃないと雨漏りしないから放置で良い!」などと考え、雨漏り修理を先延ばしにしてしまう方がいます。しかし、この考え方は大間違いですので、絶対にやめてください。一度雨漏りした場所は、放置して勝手に症状が良くなるようなことは絶対にありません。天井から水が落ちてくる…など、目に見える被害が生じていない場合でも、住宅内に水が侵入しているのは間違いない事だと考えてください。そして、木造の多い日本の住宅は、水分に非常に弱く、雨漏りの放置からシロアリの繁殖などを招き、気付いたときには雨漏り修理では対応できない…なんてことになりかねないのです。さらにカビの繁殖などを招いてしまえば、ご家族の健康被害を引き起こす大問題に発展することでしょう。
雨漏りを見つけた時には、できるだけ早く専門業者に相談し、修理してもらうようにしましょう。