外壁塗装・水性塗料と油性塗料はどっちが良いの?
外壁塗装・水性塗料と油性塗料はどっちが良いの?
外壁塗装を検討する際、使う塗料は何がいいかな…と悩む場面があるかと思います。
家は一生ものですから、できるだけ綺麗に長持ちしてほしいですよね。
塗料には、シリコン樹脂塗料やフッ素樹脂塗料、ラジカル樹脂塗料、ガイナ塗料…等の種類がありますが、作業前にその塗料を水やシンナー等で薄め、壁に塗りやすくする必要があります。
ちなみに水で薄める塗料は水性塗料、シンナー等の有機溶剤で薄める塗料は油性塗料(溶剤塗料)と呼びます。
今回は、水性塗料と油性塗料のメリットとデメリットについて、ご説明いたします。
❶水性塗料と油性塗料(溶剤塗料)とは?
先ほども言いましたが、水かシンナーか、どちらの溶剤で塗料を薄めるかで、水性塗料・油性塗料と変わってきます。
(ここでは水も溶剤という同じくくりです)
油性塗料の中でも強溶剤塗料と弱溶剤塗料と分かれており、違いとしては含まれるシンナーの成分にあります。
強溶剤塗料は、ラッカーシンナー等の溶解力の強い成分が使われています。
弱溶剤塗料は、強溶剤塗料よりも環境面や旧塗膜への影響が少ないシンナー(主に石油系炭化水素等)が使われています。
❷水性塗料と油性塗料(溶剤塗料)のメリットとデメリット
二つの塗料の特徴を簡単にご説明すると、水性塗料は安全性が高く環境にやさしい塗料、油性塗料(溶剤塗料)は塗料として性能が優れている塗料です。
では、水性塗料と油性塗料(溶剤塗料)のメリットとデメリットを詳しく比較してみましょう。
各塗料の性能は、強溶剤塗料>弱溶剤塗料>水性塗料という順番です。
塗料の種類 | メリット | デメリット |
油性塗料(強溶剤塗料) | · 塗料の密着性が強い
· 比較的長持ち · 光沢がある · 気温が低くとも乾燥しやすい |
· ほとんど使用されない
· 臭いが強いため、作業中は窓を必ず閉めるか外出をする。 · 塗料は6~8時間以内に使う必要がある · 危険物のため、保管時は注意が必要 · 価格が高め |
弱溶剤塗料 | · 一般的に使われる塗料
· 強溶剤塗料よりも臭いは少ない · 鉄部木部に使える · 密着性も耐久性も優れているため割と長持ち |
· 水性塗料と比較して渇きが遅い |
水性塗料 | · 安全性の問題から使用されるようになった
· すぐ乾く · 臭いが弱い · 価格が安め · 保存等がしやすい塗料(有機溶剤が含まれていないため) · 屋内でも作業OK |
· 密着性が油性塗料よりも弱い
· 気温が低いと塗料が乾燥しにくい · 塗装できない外壁材がある |
油性塗料(溶剤塗料)を使用される場合は、家の外壁の持ち(耐用年数)を気にされて、性能の良い油性塗料(溶剤塗料)を選ぶ場合が多いです。
反対に、水性塗料を使用される場合は、ご近所への影響や家に赤ちゃんがいるため安全性が高く、害が少ない等の理由で選ばれる場合が多いです。
二つの塗料のどちらが良いか悪いかというわけではなく、自分が求める条件ではどちらの塗料が適しているのか、ということを考えて選ぶ必要があります。
❸話題の人体と環境に影響を及ぼすVOCとは?
塗料等に含まれるVOC:Volatile Organic Compounds(揮発性有機化合物)が環境に悪く、人体にも悪影響を与えることが以前から問題視されています。
中の有機溶剤(シンナー等)に含まれるトルエン、キシレン、酢酸エチル等がVOCにあたります。
そもそも揮発性有機化合物とは、上記の有機化合物が常温等の条件下で空気中に蒸発(揮発性)する性質を持つ物質のことです。
空気中で蒸発した物質がもたらす影響として、シックスハウス症候群や発がん性がある物質があり、吸い込むだけでなく皮膚から吸収できるため、人体に
取り込まれる可能性が高いです。
また、環境に悪影響を及ぼすこととして、光化学スモッグの原因にもなります。
こういった悪影響を与える原因となるVOCへの対策として、外壁塗装業界では水性塗料が人体や環境にも配慮した塗料として注目を浴びています。
ただ、水性塗料にVOCが完全には含まれていないとは言えません。
しかし、有機溶剤が多く含まれている強溶剤塗料よりははるかにいい塗料と言えます。
ですので、環境や自分たちのことを一番に考えるならば、水性塗料を使用するのがいいかと思います。
❹まとめ
塗料の選ぶ時、長く持つ塗料を使用するのは費用面でも大切なことなんですが、環境や自分たちのことを考えると、そうもいっていられない現状があります。
どの塗料を選ぶかは個人の自由ですが、後悔のないように慎重に選んでいただけると良いと思います。
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