屋根の浮き3つの症状と適切な修繕方法・費用を分かり易く解説!
屋根の浮き3つの症状と適切な修繕方法・費用を分かり易く解説!
訪問業者から、「ご自宅の屋根板金が浮いています」などの声を掛けられた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、屋根の浮きの3つの症状と改善方法及び費用等について詳しく解説したいと思います。
【目次】
❶ 危険レベル別|屋根の浮き3つの症状
危険度Ⅰ:屋根材の浮き
危険度Ⅱ:屋根板金の「釘」の浮き
危険度Ⅲ:屋根板金の「浮き」
❷屋根の浮きの適切な対処方法
❷-1板金の釘打ち・コーキング=2~4万円
❷-2棟板金交換=30~50万円
❷-3屋根塗装=40~80万円
❸屋根の浮きを放置すると無駄な出費が増える
❹まずは屋根点検!見てもらうべき優良業者の特徴
❹-1ドローン・高所カメラ等で屋根点検ができる
❹-2地域での施工実績が多数ある
❹-3塗装から部分交換まで幅広く対応できる
❺まとめ
❶危険レベル別|屋根の浮き3つの症状
一言で「屋根が浮いている」と言っても、実は大きく分けて3パターンの症状があります。
この章では、放っておけない危険度レベル別に症状と原因を解説します。
下から(2階の窓から)ご自宅の屋根が見える方は同じ症状が起きていないかチェックしてみてください。
■危険度Ⅰ:屋根材の浮き
レベル1の屋根材の浮きは、主にスレート(別名:コロニアル・カラーベスト)の屋根に現れます。
紫外線による経年劣化で、屋根が水を吸い込むようになることで起きる症状です。
製造されるとき工場で塗られた塗料が、紫外線によって劣化し、水を弾かなくなります。
スレート屋根は主成分がセメントなので、雨が降ると水を吸い込むようになり、膨張します。
そして乾くときに太陽が当たる表面から乾くため、スルメを焼いたときのように反ってしまうのです。
屋根材の浮きは、レベル1ですが放っておくのはNGです。
浮きが悪化すると屋根が大きく割れてしまう原因にもなるので、早めに点検して塗装メンテナンスを行ってください。
■危険度Ⅱ:屋根板金の「釘」の浮き
レベル2は屋根板金を留める“釘”の浮きです。
こちらは、スレート・金属屋根など、板金が設置されている屋根に起こります。
屋根の上に設置される板金は、日中、太陽に照らされ高温になり熱膨張を起こします。
そして夜にかけて冷え、収縮していきます。
この膨張→収縮の動きによって、釘がせせり出てきてしまうのです。
放っておくと、釘を伝って屋根の中に水が入ってしまいます。
釘の浮きは築5年ほどでも現れるため、築浅の方も要注意です。
■危険度Ⅲ:屋根板金の「浮き」
レベル3は屋根板金の浮きです。
こちらは、レベル2の釘の浮きを放っておくことで起こる症状です。
板金を固定していた釘が抜けてしまうと、板金自体が浮いてきてしまいます。
▼手を入れられるほど板金が浮いてきてしまっています。
このように浮いていると、強風が浮いた隙間に入り込み板金を飛ばしてしまう恐れがあります。
実際に、2019年にあった大きな台風の直後は板金の飛散被害が増えました。
板金が浮いていると、飛散する可能性も高くなります。
板金は1m以上ある大きな鉄板です。
もしご自宅の板金が近所の家や人に当たってしまったら…非常に危険です。
そのため、屋根の点検をして板金自体が浮いている場合は、早急に対処することが大切です。
❷屋根の浮きの適切な対処方法
この章では、屋根の浮きの対処方法と費用相場について解説します。
屋根の浮きを解決するために、どんな工事が必要になるのか見ていきましょう!
❷-1板金の釘打ち・コーキング=2~4万円
板金の釘が浮いている・板金自体が浮いている場合は、釘打ち・コーキング工事を行いましょう。
抜けてしまった釘を打ち込み、釘頭をコーキングで留めて、抜けてこないようにする工事です。
この作業だけであれば、2~4万円程度で済みます。
しかし、軒先に近いところは落下の危険があるため、足場がないと屋根全体を安全に作業することは難しいです。
そのため、板金の釘打ち・コーキング工事は、足場が必要な他の工事(屋根塗装・外壁塗装など)と同じタイミングで行うことをおすすめします。
❷-2棟板金交換=30~50万円
板金の釘が効かない・板金が浮いて変形している場合は、板金の交換が必要です。
長年、釘が抜けたまま放置することで、水が釘を伝って屋根の内部に張り込み、貫板(ぬきいた)という木材が腐ってしまいます。▼
腐った板に釘を打ち込んでも、ボロボロと崩れて固定されないため、貫板ごと板金交換をしましょう。
▼板金交換の際は、水で腐らない「樹脂製の貫板」に変更が◎
棟板金の交換は、30~50万円ほどかかります。
工事には足場架設も含まれるので、屋根全体が劣化しているようであれば一緒に塗装工事を行うことをおすすめします。
❷-3屋根塗装=40~80万円
屋根材が浮いている場合は、屋根塗装を行ないましょう。
なぜなら、屋根材の浮きは、水を弾かなくなることで起こる症状だからです。
塗装で防水性を蘇らせることで、屋根の浮きの悪化を防ぐことができます。
一度浮いてしまった屋根を元の形に戻すことができないので、これ以上状態が悪くならないように塗装メンテナンスを行いましょう。
費用は足場代も含め40~80万円です。(2階建て30坪の場合)
❸屋根の浮きを放置すると無駄な出費が増える
屋根の浮きの症状と対処方法が分かったところでお伝えしたいのが、屋根の浮きは放っておいてはいけないということです。
たいしたことのないように感じる釘の抜けでも、放っておくと水を屋根の中に入れ続け、雨漏りや板金飛散の原因になってしまいます。
▲抜けた釘から水が伝って貫板が腐り、屋根材自体も水分を含んでボロボロに。
また、屋根材の浮きも、放置していると、屋根材の耐久性が落ちて、屋根に登っただけでバリバリと割れるようになります。
屋根の浮き症状を放っておくことで、塗装や釘打ちなどのメンテナンス工事だけではなく、余計な修繕工事(屋根葺き替え・カバーや棟板金交換)が必要になり、出費が増えてしまいます。
無駄なお金をかけずに、良い状態でお家を長持ちさせるためにも、早めのメンテナンス・修繕を行いましょう。
❹まずは屋根点検!見てもらうべき優良業者の特徴
「屋根が浮いている!」と言われたら、まず信頼できる業者に屋根を見てもらいましょう。
点検してみて何もなければいいですが、本当に屋根が浮いている状態であれば早急な対処が必要です。
点検を依頼しても安心な優良業者の特徴を3つご紹介します。
「屋根は心配だけど、どこに頼めばいいか分からない」とお困りの方は業者選びにお役立てください。
❹-1ドローン・高所カメラ等で屋根点検ができる
実際に屋根に登る点検だけでなく、ドローンや高所カメラを使用しての屋根点検ができる業者に依頼しましょう。
ドローン・高所カメラでの点検には以下のようなメリットがあります。
・わざと屋根を破損させるなどして修理代を請求する悪徳業者の行為を防止できる。
・劣化した屋根でも踏まずに点検できるので、誤って割られてしまうトラブルがない。
・3階建てや急傾斜の屋根でも安全に点検できる。
「屋根に登られて瓦を割られたら…」という心配がある方は、ドローン・高所カメラで点検できるか確認した上で点検を依頼することをおすすめします。
❹-2地域での施工実績が多数ある
地元での実績がある業者に依頼しましょう。
悪質な業者は、他県から来ていることも多いです。
また、低品質だと評判が続かないため、実績も増えていきません。
そのため、「地元での実績があるか」「どのくらいの件数、工事しているのか」は確認しておきましょう。
少なくともお住まいの市区町村で50~100件ほど実績があると安心です。
❹-3塗装から部分交換まで幅広く対応できる
塗装から部分交換まで幅広く対応してもらえる業者に依頼しましょう。
塗装しかできない・板金交換しかできないという業者だと、屋根の状態に関わらず自分たちが得意とする工事を提案されてしまう可能性があるからです。
状態に合った適切な対処をしてもらえないと、以下のようなことが起こり得ます。
・塗装できる状態なのに、屋根の葺き替えを勧められ、塗装工事の倍以上の費用がかかった。
・塗装時に板金の釘止めをやってもらえず、数年後台風で板金が飛んだ
そのときの状態に合った適切な工事をしてもらうためにも、塗装や部分補修、屋根リフォームなど幅広く対応ができる業者だと安心です。
点検を依頼する際に「塗装だけでなく、部分的な補修や全体の屋根交換などはできますか?」と質問してみてください。
幅広く対応してくれる業者に依頼しましょう。
❺まとめ
いかがでしたか。
屋根の浮きには主に3つの症状があります。
・“屋根材”の浮き
・屋根板金の“釘”の浮き
・屋根“板金”の浮き
どれも年数が経つと起きてしまう症状なので、定期的に点検して対処することが大切です。
具体的な対処方法は以下の3つです。
・板金の釘打ち・コーキング=2~4万円
・棟板金交換=30~50万円
・屋根塗装=40~80万円
適切な処置をせずに、10年、15年、20年…と放っておくと屋根全体の劣化が進みされに大規模な修繕が必要になることもあります。
無駄な費用をかけずに長持ちさせるためにも、早めに点検・修繕を行うことが大切です。
「屋根が浮いている」と言われて不安に感じたら、安心して任せられる業者に点検をお願いして現在の屋根の様子を確認しましょう!
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