塗り作業の行程は通常、下塗り・中塗り・上塗りと3回あり、下塗りは、塗装工事の塗り作業で最初にやる工程です。
下塗り作業は塗装工事で必須で、しかも重要な役割を持っています。
【塗り行程】
1下塗り
後に続く中塗り・上塗りのための下地作り作業。
下塗りをしなかった場合、外壁材の表面のひびや凹凸により上塗りが密着せず、剥がれやすい状態になります。
1つ目の役割は「上塗りを密着させる」効果があることです。
塗装する屋根や外壁はひびや凹凸の経年劣化症状がありますが、下塗りをすることで平滑化でき、塗料も密着しやすくなります。
下塗りを入れないと、折角塗装しても剥がれやすくなってしまいます。
そのため、上塗りを密着させる下塗りは重要な役割を持ちます。
2中塗り
中塗りで下地と定着
2つ目の役割は上塗りの塗料の浸透を止める効果があります。
経年劣化した屋根や外壁に、そのまま塗装をすると、建材が塗料を吸収し表面が凹凸状態になります。
浸み込みが止まらないと、見た目が悪くなったり、浸み込んでしまった分、塗料を多く使わないといけないので、余計な費用が掛かってしまったりします。
そのため、下塗りで塗料が浸透しすぎないように止めておくことは重要な役割です。
下塗りをしていれば、表面が均一に滑らかになるので、そのあとの塗料が密着して乗りやすくなります。
3上塗り
同じ塗料で2回塗ります上塗りでムラのない適切な膜厚できれいな仕上がりにします。
3つ目の役割は発色がきれいになる効果があることです。
下塗りは通常白色であることが多く、最後の上塗りの発色を良くするのに役立ちます。
逆に下塗りをしないで上塗りをした場合、元の外壁の色が透けてムラになって見えてしまうことがあります。希望の色できれいに発色させるのも、下塗りの重要な役割です。
※下塗りを塗った段階では、どんな熟練の職人でも塗りムラが見えますが、場所によって塗料の吸い込みがバラバラなためです。施工不良ではないのでご安心ください。
※塗料によっては下塗りが白色以外のものもあります。業者に確認してみましょう。
4つ目の役割は小さなひび割れを補修する効果があることです。
これは、ヘアクラックと言われるような細いびひの劣化なら、下塗りで十分埋める事ができるからです。
その分補修費用も掛からずに済みますし、見た目も補修材が目立つ心配がないため、小さなひび割れを補修してくれる機能も、下塗りの重要な役割です。
ヘアクラックと呼ばれる細いひび。この程度のひびなら補修しなくても下塗り剤で埋める事ができます。
小さなひびが入っていても、下塗り剤が埋めてくれるので中塗り・上塗りもきれいに仕上がります。
このように、下塗りは塗装工事の中でも省略することができない重要な役割を持っているのです。
下塗りの役割
シーラーは、上塗りと強く密着させることや、上塗り塗料のムラを防ぐ効果があるので、しっかりと均一な塗装ができ、よく使われる下塗り剤です。
使用する建材の状態によって、油性か水性を使い分けるのが特徴です
水性シーラーの特徴
劣化症状が少ない時に使用し、乾燥時間は3~4時間と長めですが、臭いは少ない。
モルタル・コンクリート・石膏ボードなどの建材に使用する。
油性 浸透性シーラーの特徴
劣化が多い時に使用し、浸透性が高く吸い込んだ分強度が増します。乾燥時間は30~60分と短いが臭いは強い。
窯業系サイディング・ALC板・PC板などに使用します。
※油性のシーラーに水性の上塗りをしても大丈夫なので、ご安心ください。
また、吸い込み過ぎ対策に優れているため、吸い込み過ぎを止めたい場合はシーラーを使う事が多いです。
プライマーも密着性を高めるのに優れており、様々な素材に使われます。
プライマーにも油性と水性があり、浸透性やさび止めなどの効果を持つものもあり、シーラーよりも機能性に応じた種類・用途に優れていると言えます。
水性プライマーの特徴
劣化症状が少ない時に使用し、乾燥時間は3~4時間と長めですが、臭いは少ない。
サイディングボード・アルミ・トタン・銅板などの建材に使用する。
油性 浸透性プライマー
劣化が多い時に使用し、浸透性が高く補強効果が高く期待できます。乾燥時間は30~60分と短いが臭いは強い。
モルタル・コンクリート・ALCパネル・窯業系サイディングなどの件座愛に使用
防錆プライマーの特徴
徹也金属部分の錆止め効果があります、金属部への密着性が高い。
鉄部・銅板などの金属部分の建材に使用する。
フィラーは、主にモルタルの外壁に使用します。
下地に凹凸が多い、またはヘアクラックがある場合にはフィラーを使用します。
シーラーやプライマーと比べてとろみがあり、厚塗りが可能ですが、フィラーは水性タイプのみしかありません。
また、シーラーとフィラーの機能を合わせた「微弾性フィラー」というものもあり、これはクラックを埋める機能が優れていますが、単価が少し上がる場合があります(900~1,200円/㎡)。
このように、種類が複数あるため、建材や状態によって選ぶ下塗り剤は異なってきます。
下塗りの重要性や種類を理解したら、適切な下塗りをしてくれる業者選びをしましょう。
作業中にずっと見張っている訳にはいきませんから、上塗りで塗りつぶされると見えなくなる下塗りについても、ちゃんと施工してくれる信頼できる業者選びのポイントを見ていきましょう。
見積提示前に、事前に現場調査をしてくれる業者を選びましょう。
図面だけでは、どんな外壁材の状態で、どの下塗り剤が適切かの判断ができないからです。
特に今の家の状態に合った下塗り剤を選ばなければいけないので、図面だけで見積もりを提示された場合は、実際に工事に入った際に「やっぱり違う下塗りの方が良いですね」と話が変わる事もあり得ます。
事前に現場調査をして、適切な下塗り剤を判断してくれる業者が安心です。
見積の表記が分かり易く明瞭な業者は安心できます。
明確な表記がないと、どんな素材をどのように使われたのか判断できなくなるためです。
特に下塗りについては、下塗り剤が何を使用して、中塗り・上塗りはどの塗料を使うのかが明確に表記されていると丁寧で良い業者と言えます。
施工中の写真を撮って報告してくれる業者を選びましょう。
下塗りは、最後は上塗りできれいに塗りつぶされてしまうので、しっかり塗られたのかの判断がしにくいためです。
特に全体や、窓枠の際まできちんと塗られているかは後から判断できないので、写真でしっかり報告してくれるか業者に事前に確認しておきましょう。
塗料メーカーからの保証が出るのは安心ポイントです。
施工店がしっかりと正しい施工をしないと、メーカーは保証を出さないからです。
適切な塗布量や、乾燥時間を守らないとメーカー保証は出ませんし、
逆を言えば、知識が豊富な業者なら、正しい相性の下塗り剤を使用して正しい施工をしてくれるので、メーカーからも保証が出るのです。
メーカーが保証を出してくれるところは施工も安心して任せられます。
施工実績が多い業者は安心できます。
実績が多いと、それだけ多くの建材を見てきて施工までしているので、あなたのお家に最適な下塗りもきちんと判断してもらえます。
グラスビトウィーンは、豊富な経験と深い専門知識を活かしお客様の外壁の状態を正確に判断し、
適格なご提案をさせていただき、本当にご満足のいただける作業を目指しております。
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