雨漏りから家を守る屋根の防水!
雨漏りから家を守る屋根の防水!
屋根の防水は、雨風や紫外線から家を守るために重要なメンテナンスです。
経年劣化によって防水機能が低下すると、雨漏りなどのトラブルを引き起こし、建物の寿命を縮める可能性があります。
そこで必要となるのが屋根の防水工事です。
屋根の防水工事には、主に以下の4つの種類があります。
❶ウレタン防水
防水性が高く、耐久性にも優れています。
ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗ることで防水層を作る工法です。
ウレタンは柔らかく弾力性があり、耐摩耗性に優れた素材で、車のタイヤや接着材、スポンジなどにも使われています。
ウレタン防水には主に以下の2つの工法があります。
密着工法
ウレタン樹脂を直接下地に塗り、その上にメッシュの補強布を貼り付けます。
さらにウレタン樹脂を一定の厚さになるまで塗り重ね、最後に仕上げのトップコートを施して完了となる工法です。
通気緩衝工法
通気緩衝シートと呼ばれるものを下地に貼り付け、その上からウレタンを塗っていく工法です。
密着工法よりも費用はかかりますが、下地とウレタンの間に1枚のシートが割って入ることで、先程の「水蒸気による膨らみ」を防止することができます。
ウレタン防水のメリットは、工事費用の安さと工事の手軽さ、小回りの利きやすさです。
また、ウレタン樹脂材は仕上げであるトップコートの段階で、ある程度好きに色を選ぶことができます。
デメリットとしては、ウレタン防水はウレタン樹脂材を手で塗っていく作業のため、職人の技術によって仕上がりに差が出てくることがあります。
ウレタン防水の耐用年数は、一般的に8〜10年と言われています。
❷FRP防水
FRP防水とは、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)を防水に応用した工法で、屋根やベランダに多く施工されています。
FRPはガラス繊維などの補強材で補強されたプラスチックという意味です。
FRP防水の主な特徴は以下の通りです。
高い防水性
FRP防水は風呂の浴槽や宇宙ロケットなど、建築物よりもはるかに防水性が求められるものにも使われている素材です。
水を通さない力においては他の防水工法よりも高い「水密性」をもっています。
非常に丈夫
FRP防水が施された床面は、固くて丈夫な仕上がりになるため、耐荷重性・耐摩擦性に優れています。
最も軽量
FRP防水層は、1平米あたり4kg前後と他の防水層に比べて非常に軽量です。
工期が短い
FRP防水は、塗膜の乾燥を待つ工程が少ないのも特徴です。
唯一、乾燥待ちが必要なトップコートの樹脂も、数時間程度で乾燥します。
そのため、トップコートを何層か塗り重ねる工事であっても、わずか1~2日で防水工事が完了します。
FRP防水の期待耐用年数は10〜15年で、建物の条件や日当たり、施工範囲などよって寿命が前後します。
また、FRP防水の工事にかかる費用は、一般的な広さのベランダで約10~15万円です。
ただし、FRP防水には以下のようなデメリットもあります。
費用がやや高め
FRP防水にはたくさんの優れた特徴がある一方で、他の防水工法よりも費用がやや高い傾向にあります。
施工場所をやや選ぶ
FRP防水は、「木造」かつ「広い面積」(10㎡以上目安)の床面には施工できません。
理由は、FRPの防水層は固くて伸縮性が少ないためです。
❸シート防水
屋根のシート防水とは、防水シートを屋根に貼り付けることで雨水の侵入を防ぐ工法です。
主に、塩化ビニールシートやゴムシートが使用され、どちらも防水性が優れています。
シート防水の主な種類と特徴は以下の通りです。
ゴムシート防水
ゴムをメインに合成したシートで、接着剤などで屋根に取り付けます。
屋根の形や地域を選ばず使用でき、施工面積が大きいほど価格も安くなるのが特徴です。
塩化ビニールシート防水
塩化ビニール樹脂を合成したもので、機械を使って固定します。
屋根の形が複雑な場合、取り付けるのが難しいですが、防水性能は優れています。
また、防水シートの寿命は平均約20年程度で、定期的なメンテナンスが必要です。
小さな破れやふくらみはすぐに修復できますが、そのまま放置していると悪化し、雨漏りする可能性があります。
防水シートの工事費用相場は、1平方メートルあたり約1万円が平均相場です。
❹アスファルト防水
アスファルト防水とは、防水シートを屋根に貼り付けることで雨水の侵入を防ぐ工法です。
主に、塩化ビニールシートやゴムシートが使用され、どちらも防水性が優れています。
アスファルト防水の主な特徴は以下の通りです。
耐久性
アスファルト防水は防水工事の中でも耐久性が高い点が特徴で、防水層の寿命は平均約20年程度です。
防水性能
溶かしたアスファルトとアスファルトルーフィングシートを重ね敷いて、強靭で水密性の高い防水層を形成します。
工事日数
現場の規模や状況にもよりますが、およそ3週間程度で工事が完了します。
アスファルト防水は、主に次の3種類に分類されます。
常温工法(冷工法)
熱を使わずに防水層を作ることができるのが特徴です。
ルーフィングシートの裏面に、自着層と呼ばれるゴムアスファルトの粘着層をコーティングし、複数枚交互に貼り合わせていく工法です。
トーチ工法
トーチバーナーと呼ばれるごく一般的なバーナーを用いて、ルーフィングシートの裏面と下地を、アスファルトを炙り溶かしながら貼り付ける方法です。
熱工法
熱を加えて溶かしたアスファルトを使い、2~4枚のルーフィングシートを積み重ね、防水層を作る工法です。
それぞれの工法の特徴やメリット・デメリットを理解し、最適な工法を選択することが大切です。
また、防水効果を持続させるための方法や工事の適切なタイミングについても理解することが重要です。
具体的な防水工事の費用は、使用する防水の種類や施工面積、屋根の形状などによって異なります。
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