- 今回は、台風などの強風によって受ける屋根のダメージと、台風が来る前に行っておきたい屋根のメンテナンスについてご紹介していきたいと思います。今年も8月半ばに入り、いよいよ台風が続々と上陸するイメージのある季節がやってきますね。今年は、7月や8月等にも季節外れの台風が日本を縦断するなど、本来夏の終わりから秋にかけて増えてくるイメージのある台風が、すでに何度も本州へ上陸し、各地で大きな被害を出しています。
しかし、冒頭でもご紹介している通り、本州へ台風がやってくるのは、本来これからがシーズンだと言う事を忘れてはいけません。
そこで今回は、台風が直撃した際には、「どのような被害が建物に出やすいものなのか?」や「大きな被害を出さない為にも、どのような屋根メンテナンスをしておくべきなのか?」等についてご紹介していきたいと思います。日本国内は、大小問わず、毎年必ず台風がやってくるものですので、本稿の内容は、是非覚えておいていただきたいものです!
台風が来る前に!チェックしておきたいポイントは?
それではまず、台風が来る前にチェックしておきたい建物のポイントについてご紹介しましょう。台風という物は、非常に激しい雨で雨漏りを発生させてしまうだけでなく、強風で屋根材が吹き飛ばされる…、飛来物で窓や外壁が壊されてしまう…等、建物にとって非常に厄介な自然災害と言えるものです。したがって、建物が受ける可能性のあるダメージも非常に広範囲で、雨漏りの心配をしていればいいだけではありません。
そこで、ここでは、台風の影響が本格的になる前に、チェックしておきたい建物の様々なポイントを以下にあげてみます。
- 瓦、スレート、金属などの屋根材について
屋根材が万全の状態であれば、台風の影響でいきなり屋根材が飛ばされてしまう等といった事は少ないです。しかし、屋根材に割れやズレがある、浮いている箇所がある等となると、強風によって飛散してしまうといった恐れがあります。台風前には、このような劣化がないかチェックしましょう。 - 棟板金について
台風後の屋根被害で、ご相談が一番多いともいえるのが『棟板金』です。棟板金は、経年劣化によって釘が浮いてしまっていると言う事も多く、その結果、台風の強風で板金が飛散したり、変形してしまうと言う事が増えるのです。棟板金の釘が浮いていないか、また板金自体が浮いていないかしっかりチェックしましょう。 - 漆喰の劣化に注意
瓦屋根では、棟瓦やのし瓦等を漆喰によって固定しています。しかし、経年劣化によって固定力が弱まっている場合、台風などの強風で棟瓦が飛散したり、崩れたりする被害が出るのです。また、漆喰にヒビがあったり、脱落している箇所があれば、大量の雨でそこから水が侵入し、雨漏りする可能性もあります。 - 雨樋の劣化、詰り
雨樋には、飛ばされてきたゴミや落ち葉が溜まっている事が多いです。そこに、さらに台風でゴミが飛んでくると、雨樋が詰まってしまい、スムーズに排水できなくなってしまう事があります。雨樋のオーバーフローは、雨漏りの原因にもなるので注意が必要です。 - 外壁のチェックポイント
台風時は、外壁のクラックや窓枠のコーキングの劣化にも注意が必要です。普段の雨では特に問題がないとしても、台風時には横殴りの激しい雨が外壁に直接当たる為、雨漏りの原因になる場合があるのです。
台風が来る前には、上記の様な劣化がないか、きちんとチェックするようにした方が良いでしょう。普段の雨では問題が出ないとしても、台風は、非常に強い風と激しい雨が同時にやってきますので、小さな劣化から大きな被害が出る事も考えられるのです。
こんな劣化を見つけたら早期に補修を!
台風前のチェックポイントは、分かっていただけましたね、それでは、上記をふまえて、建物の劣化を見つけた時には、どのような対策を行えばいいのか考えてみましょう。台風などの自然災害は、「この程度なら大丈夫か!」と思えるような小さな劣化が起因し、建物に大きな被害が出る事も少なくありませんので、しっかりと対策をとるようにしましょう!
台風前に行っておきたい屋根メンテナンス
それではまず、台風前に行っておきたい屋根の様々なメンテナンスからご紹介しておきましょう。建物の屋根は、日々私たちを風雨から守ってくれているものですので、注意深く見てみると以外と劣化が進んでいる物ですよ!
- 屋根材の劣化が…
屋根材には、スレート・瓦・金属等がありますが、どの屋根材だとしても「割れ、欠け、ひび」等がある場合には、その部分の交換などが必要でしょう。また、瓦やスレートでズレが発生している場合も元に戻しておく必要があります。 - 棟板金の浮きが…
棟板金を固定する釘が浮いている…棟板金自体に浮きが見られる…といった場合には、きちんと固定しておく必要があります。棟板金は、下地から劣化している場合もありますので、その場合は棟全体の補修をしておきましょう。 - 漆喰の割れ、崩れが…
漆喰のひび割れや脱落が目立つのであれば、一度既存の漆喰を取り除き、塗り直しをする必要があります。また、漆喰の劣化が激しく、棟が歪んでいるといった場合には、棟の積直しから必要でしょう。
POINT2台風前に行っておきたい屋根以外メンテナンス
台風が来る前には、屋根以外にも補修が必要になる場合があります。そもそも、雨漏りの原因は、屋根だけでなく、外壁やベランダの劣化が起因となる事も珍しくないのです。
- 外壁のクラックが…
外壁にクラックが入っている場合には、コーキングなどを利用してクラックを補修する必要があります。また、クラックが大きい場合には、ひび割れ部分を削ってから、クラックを埋める必要があります。 - 窓枠のコーキングが…
窓枠などのコーキングが劣化している場合には、台風前に塗り直しする必要があります。また、外壁の目地なども同様です。
台風の前には、上記の様な対策が必要になるでしょう。屋根や外壁は、日々、過酷な環境下に晒され続けているものですので、皆さんが考えている以上に劣化が進行している可能性が高いのです。そんなところに、台風が襲来すると、一気に劣化が表面化してしまう場合があるのです。
屋根は万全な状態で台風に備えましょう!
今回は、台風によって建物に被害を出さない為に、台風が来る前にチェックしておきたいポイントと、劣化を見つけた時の対処法についてご紹介してきました。
本稿でもご紹介しているように、建物の屋根や外壁という物は、日々、様々な影響を受け続け、少しずつ劣化が進行しているものです。したがって、注意しなければ、なかなか気づくことが出来ないような劣化も、いろいろなところに出ているもので、通常の雨などであれば特に問題なかったのに、台風などの自然災害時に表面化してくることが非常に多いのです。
通常、屋根などは万全な状態を保っているのであれば、突然、屋根材が飛散する事や棟板金が飛ばされるような事はありません。しかし、定期的なメンテナンスなど行わず、上記の様な劣化がある場合には、そこを起点として一気に被害が拡大する物なのです。
したがって、屋根に関わらず建物を長持ちさせたいのであれば、定期的にメンテナンスを行い、万全な状態で台風などに備える必要があるのです。もちろん、一般の方であれば、どの程度の劣化であれば補修が必要なのかなど判断することは難しいと思いますので、今回の様に台風が多くなる時期の前に必ず点検をしてもらう等、メンテナンススパンを決めるのもいいかもしれませんね!