屋根リフォーム・葺き替えか、重ね葺き(カバー工法)かの判断の仕方は?
屋根リフォーム・葺き替えか、重ね葺き(カバー工法)かの判断の仕方は?
屋根のリフォームや、外壁のリフォームの季節になりました。
街の中でも、住宅が足場や防散シートに覆われている住宅が彼方此方で見受けられますよね!
今回は、「屋根のリフォーム」で皆さんがお悩みになる「葺き替え」か「重ね葺き(カバー工法)」かについて詳しくお話ししていきたいと思っています。
❶葺き替えか、重ね葺き(カバー工法)かの判断の仕方は?
屋根のリフォームは、既存の屋根材を剥がして新たにする葺き替えと、既存の屋根材の上から重ねて施工する重ね葺き(カバー工法)という方法があります。
どちらもメリット・デメリットがありますが、今回ご紹介する重ね葺き「カバー工法」は、費用を抑えられることが最大のメリットです。
今回は葺き替えと重ね葺きの違いを比較しつつ、迷った時にどちらを選べば良いのか説明していきたいと思います。
❷葺き替えと重ね葺きはどう違うのか?
◆屋根の葺き替えとは?
葺き替えは既存の屋根材を剥がし、新しい屋根材に乗せ替える方法です。
屋根の下地がひどく傷んでいる場合は修復し、既存の屋根材の種類を問わず耐久性をあげるリフォームが可能です。
ただ、既存の屋根材を剥がし処分する作業が増えるので、重ね葺きよりも工事期間は長く、費用もかかります。
【施工できる屋根材】
日本瓦、セメント瓦、スレート、金属屋根
◆屋根の重ね葺きとは?
重ね葺き(カバー工法)は、既存の屋根材の上に新しい防水シートと屋根材を重ねてはる方法です。
屋根材を一度剥がす(葺き替え)場合はその時間と手間がかかりますが、重ね葺きはそのまま被せるので、工事の期間が短く、費用も安くすみます。
既存の屋根材が2004年以前に製造されたスレート屋根の場合、人体に悪影響のあるアスベストを含んだ素材が使われている可能性があります。
その場合は、屋根材の処分費が高額になってしまうことがあり、カバー工法を選択するケースもあります。
ただ、下地の補修ができないのですでに下地が劣化している場合や、屋根の重量増加による耐震性の低下が気になる場合は葺き替えがおすすめです。
【施工できる屋根材】
スレート屋根、金属屋根
◆スレート屋根と金属屋根とは?
スレートとは、粘板岩を加工して作った素材で、瓦に比べて軽いので耐震性の高い素材です。
耐久性も高いので、日本の住宅で多く使われています。
金属屋根は、アルミ、ステンレス、フッ素鋼板、トタン、ガルバリウム(ジンカリウム)など種類がたくさんあります。
金属はサビが発生しやすいデメリットがありましたが、最近は軽く加工が簡単で耐久性も高いガルバリウム(ジンカリウム)がよく使われています。
では、重ね葺きにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
❸重ね葺き(カバー工法)のメリット
◆リフォームの費用が安い
重ね葺きは、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねるだけなので、屋根材を撤去する手間や、廃材の処分費がかかりません。
屋根材は産業廃棄物として処分しなければいけないので、意外と破棄費用がかかってしまうのです。
そのため重ね葺きは、廃材の処分費が必要になる葺き替えよりも、20%〜30%ほど安い費用でリフォームができます。
◆リフォームに必要な期間が短い
重ね葺きの場合は、既存の屋根材を解体・処分する時間や、養生をする必要がないので葺き替え工事よりも、3日ほど工事期間は短くなります。
また、工事を始めてから予期せぬトラブル(下地の傷みや天候など)の影響を受けにくいので、大幅に工事の完了が遅れるリスクも少ない点もメリットです。
葺き替えの場合は7日〜30日程度と期間に大きな差がありますが、重ね葺きは大抵のケースで7日〜14日程度で完了します。
◆隣家とのトラブルになるリスクが低い
屋根を剥がして撤去する作業は、大きな音やホコリが立ちやすく、近所の方からクレームが来てしまうケースもあります。
重ね葺きは、大きな音やホコリが発生しずらく期間も短いので、葺き替えと比べるとトラブルになるリスクは低いといえます。
◆断熱性、遮音性、防水性が上がる
重ね葺きは屋根材が二重になるので、断熱性、遮音性、防水性は高まります。
施工前と比べると、夏の暑さ、冬の冷えこみ、雨音の大きさなどが改善されます。
飛行機の騒音に悩んでいる場合も、重ね葺きで改善します。
❹重ね葺き(カバー工法)のデメリット
◆耐震性が低下する可能性がある
既存の屋根材の上に重ねて施工するので、屋根全体の重量が増え、耐震性は多少低下してしまいます。
しかし、スレート屋根はもともと軽量なので、その上に軽い素材の重ね葺きを行なったとしても、瓦屋根の住宅よりも軽い状態をキープできることの方が多いので、大きな問題にはなりませんが、念の為、今の家に重ね葺きをしても耐震性に問題がないかどうかは確認しておきましょう。
◆瓦屋根の家には施工できない
重ね葺きは、基本的にフラットな金属屋根やスレート屋根に重ねて固定する工事です。
そのため、波型の形状の屋根材や、厚みのある屋根材の上には固定できないので、重ね葺きをすることができません。
日本瓦の屋根や、セメント瓦の屋根は葺き替えの方がおすすめです。
◆下地が傷んでいる屋根にはおすすめできない
屋根の下地が傷んで劣化している場合は、そのままにせず下地を補修した方が良いので、葺き替えの方が良いでしょう。
また、下地が劣化して強度が足りない場合は、新しい屋根材を固定できないので、葺き替え工事をすることになります。
下地が雨漏りで湿って水分を含んでいると、下地を腐食してしまう可能性があります。
重ね葺きした後にそのようになってしまっても、さらに重ね葺きをすることはできません。
重ね葺きをしてから葺き替えをすると、高額な費用が必要になるので、見積もりの段階でしっかりと業者と話し合い、適切な施工を選びましょう。
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