今回はスレート屋根から雨漏りが発生する原因について紹介します。
最近、屋根材としてスレート屋根を選択するお宅が増えています。なぜなら瓦屋根と違って素材自体が軽く、安いからです。
しかしスレート屋根には、他の屋根材と比べて寿命が短いという特徴があります。劣化が進むと破損したり、最終的に雨漏りすることもあります。
スレート屋根が原因で雨漏りする場合とは
まずはスレート屋根にはどういう種類があるのか、雨漏りにつながる原因を紹介します。
スレート屋根の種類
スレート屋根は粘板岩(ねんがんばん)という岩を使った屋根材のことです。
主に天然スレートと人工的に作る化粧スレートの2種類があります。
化粧スレートは、石綿(アスベスト)スレートと無石綿(ノンアスベスト)スレートに分かれます。一般住宅に良く使われているのは無石綿の化粧スレートです。天然スレートはとても高級で基本的には住宅に使用されていません。
またアスベストを含む石綿スレートは、平成18年以降全面的に使用が禁止されています。
屋根は寿命を迎えることで破損しやすくなる
スレート屋根の寿命は15年~25年ほどで、長くても30年程度です。
ちなみに金属屋根の寿命は30年。瓦屋根は数十年から100年と言われています。
普段はあまり屋根を意識することがないかもしれませんが、屋根は雨風を受けたり、太陽の光を受けたりすることによって徐々に劣化します。
寿命を迎えた屋根は、葺(ふ)き替え工事やカバー工事で新しい屋根材を張ることが必要です。
また寿命以外にも
- 台風や風で飛散物が屋根に当たる
- アンテナなどの屋根上の設備が倒れる
ことで破損することもあります。
できるかぎり屋根を長続きさせて雨漏りさせないようにするためには、適切な時期にメンテナンスをする必要があります。
スレート屋根から雨漏りが発生する破損の原因
一般的に使用されている化粧スレート屋根で雨漏りしてしまう原因は様々で、以下のようなものがあります。
- 塗装の剥がれ
- 屋根材に生えたカビやコケ
- 屋根材の割れや欠け、ズレ
- 棟板金の破損、釘抜け、ゆるみ
- 谷(谷樋)の破損
<塗装の剥がれ・コケ・カビ>
塗装の剥がれは主に経年劣化が原因です。メンテナンスをしていないと7年~10年くらいで剥がれてきます。
コケやカビも同じく経年劣化が原因です。長い期間、雨にさらされることで化粧スレートに発生します。
塗装が剥がれると屋根材が反り返って、そこに飛散物が当たり屋根材が破損することにつながります。
風によって飛散物が当たったり、屋根の上にあるアンテナなどが倒れて屋根材が割れたり、欠けたりします。
その結果、スレート屋根の下にある防水シート(ルーフィングシート)が露出します。その防水シートが剥がれたり、破損したりすると雨が室内に浸入してきます。
<棟板金の破損>
棟板金は経年劣化で固定している釘がゆるみ、そこに台風などで強風が吹いて剥がれてしまいます。
サビが進行して、釘がゆるんだ結果そこから水が浸入したり、棟板金の下にあるヌキ板が朽ちて、損傷することもあります。
ヌキ板が限界まで雨水を含むと、屋根の下地に影響を与えて最終的に室内に雨漏りするのです。
谷樋は屋根の2つの斜面の谷部分に設置している、板金でつくられた樋のことです。
構造上、雨水が溜まりやすくサビで板金が劣化しやすくなっています。この部分に水が浸入して、室内に雨漏りすることも多いです。
スレート屋根から雨漏りしている場合、以上のようなことが原因となっています。
スレート屋根の修理方法と雨漏りが発生したときの工事方法
紹介した破損を防ぐためには、メンテナンスが必要です。
スレート屋根のメンテナンスの時期は7~10年に一度が理想とされています。
一般の方は屋根に登ると危険なので、新築やリフォーム、屋根の工事をしてから7~10年経ったら、屋根工事や修理業者に点検を依頼するようにしてください。
下の表はスレート屋根で雨漏りが発生してしまう劣化症状と修理方法です。
スレート屋根で雨漏りが発生する劣化症状 | 修理方法・工事の方法 | |
・塗装の剥がれ ・コケやカビが生えて屋根材が朽ちている |
・一度も塗装の塗り替えを行っていない ・劣化症状が一部のみ |
塗り替え塗装 |
・一度塗装の塗り替えを行っている ・劣化が屋根全体に及んでいる |
葺き替え工事 | |
屋根材の割れ・欠け・ズレ | ・スレート屋根材の一部交換 ・葺き替え工事 |
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棟板金の破損、釘抜け、ゆるみ | 葺き替え工事 | |
谷樋の破損 | 谷の入れ替え |
雨漏れする前にご自宅の対策を考えていきましょう!!