町田市近郊で屋根葺き替え工事の基礎知識をご説明します!
1.屋根の葺き替えとは
屋根の葺き替え工事とは、既存の屋根材を撤去して、新しい屋根材に張り替える(葺き替える)屋根リフォームの工法で、「日本瓦」や「セメント瓦」などの”瓦屋根”の住宅で施工されることが多いのが特徴です。
一方で、「スレート(コロニアル)」や「トタン」などの瓦以外の屋根はカバー工法(重ね葺き)と呼ばれるリフォーム工法で新しく屋根を葺き替えるのが現在の主流です。
「屋根の葺き替え」と「カバー工法(重ね葺き)」は”屋根を新しくする”ということは同じですが、工法が全く異なるために、それぞれの工法の特徴や注意点について理解を深めましょう。
1-1.屋根の”葺き替え”と”重ね葺き(カバー工法)”の違い
「屋根の葺き替え工事」は既存の屋根材を撤去して、新しい屋根材に張り替える屋根のリフォーム工法に対して
屋根の重ね葺き(カバー工法)は既存の屋根の材の上から新しい屋根材を被せる屋根のリフォーム工法です。
上記のイラストは屋根の「葺き替え」と「重ね葺き(カバー工法)」を比較した表ですが、屋根の重ね葺き(カバー工法)は葺き替えと比べて屋根材の撤去費用が発生しないために
屋根材の撤去・廃棄費用が発生しないために、費用が安くなるのが特徴です。
一方で、重ね葺き(カバー工法)は屋根が二重構造になるために雨漏りなどの屋根の構造的な不具合が生じた場合に原因の特定やメンテナスが困難になるのが弱点です。
屋根の重ね葺き(カバー工法)は「既存の屋根材に新しい屋根材を被せる」という施工方法の都合から平坦(平ら)な屋根でしか施工ができために
凹凸の多い”日本瓦”や”セメント瓦”の屋根では施工できません。 屋根の重ね葺き(カバー工法)はコロニアルやカラーベストなどの
スレート屋根やトタン屋根などの平坦な屋根に限定された屋根リフォーム工法ということを覚えておきましょう。
2.屋根の葺き替えの目安
屋根材 | 耐用年数(寿命) | メンテナンス時期 | メンテナンス方法 |
---|---|---|---|
日本瓦 | 50年〜100年 | 30年〜40年 | 葺き直し |
セメント瓦 | 30年〜40年 | 10年〜15年 | 屋根塗装 |
スレート瓦(コロニアル) | 20年〜30年 | 10年〜15年 | 屋根塗装 |
トタン | 15年〜25年 | 10年〜15年 | 屋根塗装 |
屋根の葺き替え工事は屋根リフォームの中でも非常に高額な工事です。
そのため、業者によっては葺き替えの必要のない屋根であっても、屋根の葺き替え工事を提案する業者も存在します。
悪質な業者になると、部分補修で十分メンテナンスができる不具合であっても「雨漏りがしている」「瓦が寿命です」と虚偽の報告をする業者も少なくありません。
そのために、実際に屋根葺き替え工事を行う前に、屋根の葺き替え工事の必要性を理解して、費用対効果が高い適切なタイミングで屋根を葺き替えることが重要です。
それでは、具体的にどのようなタイミングで屋根を葺き替えるので良いのでしょうか?屋根を葺き替える目安とはいったい何でしょうか?
屋根の葺き替えのタイミングや理由は下記の3点が目安です。 ・既存の屋根材の耐用年数(寿命)が過ぎた ・雨漏りが発生した ・耐震リフォーム それぞれ、具体的に解説します。
2-1.耐用年数(寿命)が過ぎた
日本瓦は屋根塗装などのメンテナンスの必要性が無い、メンテナンスフリーの屋根材で耐用年数も80年〜100年と非常に長期的です。
一方で、コロニアルやカラーベストなどのスレート瓦は塗装によって防水性能を確立しているために、塗装が劣化をする10年に1度を目安に屋根塗装が必要です。
しかし、スレート瓦やトタンは耐用年数(寿命)が過ぎると屋根材自体が脆くなり、塗料の密着性が著しく低下します。
このような塗装の密着性が低下した状態で屋根塗装をすると、塗装後すぐに塗料が剥がれたり、表面が水ぶくれのように膨れてきたりと、施工不良が発生する可能性が高くなります。
実際に施工不良が発生した場合、「やり直し」や「手直し」では手の施しようが無くなり、現状回復させるために最終的には屋根を葺き替えるか
重ね葺き替き(カバー工法)が必要になります。 「セメント瓦」や「モニエル瓦」も塗装が必要な屋根材で耐用年数(寿命)の経過を目安に金属屋根のガルバリウム鋼板に屋根を葺き替えるのが一般的です。
このように屋根材の耐用年数(寿命)が経過して、屋根塗装では施工不良の危険があったり、費用対効果が下がった段階が屋根の葺き替えを行う一つのタイミングです。
2-2.雨漏りが発生した
屋根の雨漏りは「瓦のズレ」や「ひび割れ」などの屋根材の劣化や不具合が原因で発生すると思われていますが
屋根材は最初に雨水の侵入を防ぐ1次防水であり、最終的には2次防水の屋根内部のルーフィング(防水シート)によって雨水の侵入を防いでいます。
このように屋根は1次防水の屋根材と、2次防水のルーフィング(防水シート)の二重構造で雨水が住宅の内部に侵入しないようにしていますが
「雨漏り」の発生は2次防水のルーフィング(防水シート)の不具合を意味します。 これは穴の空いた傘と同じで、穴が空いた箇所が1箇所であれば
部分補修で修理ができますが、穴が空いた箇所が複数箇所ある場合は、ルーフィング(防水シート)を張り替える必要があります。 また、ルーフィングも耐用年数(寿命)があり
種類にもよりますが30年〜40年を目安に交換が必要です。 このように雨漏りは屋根の2次防水であるルーフィング(防水シート)が劣化して破れたり
隙間が生じることが原因で発生するために、雨漏りの発生は屋根を葺き替える目安になります。
2-3.耐震リフォーム(瓦屋根限定)
”日本瓦”や”セメント瓦”などの瓦屋根は、金属屋根のガルバリウム鋼板に葺き替えられるのが現在では一般的です。 瓦屋根から金属屋根のガルバリウム鋼板に葺き替えることで
屋根の重さが60%ほど軽量化されるために、住宅の耐震性を高める耐震リフォームで屋根を葺き替える施主も多いです。 また、ガルバリウム鋼板は屋根塗装の必要の無い
メンテナンスフリーの屋根材で耐用年数(寿命)も40年〜50年と非常に長期的でコストパフォーマンスに優れているのも魅力の一つです。
屋根を軽くすることで、住宅の重心が下がるために住宅の耐震性能が向上します。瓦屋根の住宅の耐震リフォームのタイミングも屋根を葺き替える最適な目安です。
3.屋根の葺き替え工事の費用を安くする方法
屋根の葺き替え工事は一般的に相場価格が浸透しておらず、同じ工事内容であっても業者によって価格差があるのが当たり前です。
同じ工事内容にも関わらず、業者によって価格差が発生し、場合によっては100万円もの価格差が生じるのかと言うと、業者によって「施工単価が違うから」です。
例えば、同じ内容の葺き替え工事であっても、屋根の専門業者で自社で直接施工ができる「自社施工業者」と、実際の工事を下請けに委託する「下請け施工会社」では
中間費用が発生しない「自社施工業者」の方が、「施工単価」は安くなります。 このように同じ工事内容でも業者によって価格差が生じる原因は業者によって「施工単価が異なるため」であり
「可能な限り施工単価の安い業者」に工事を依頼することで、屋根の葺き替え工事の費用を安くすることができます。 それでは、具体的にどうすれば、施工単価の安い業者に工事を依頼すれば良いのでしょうか。
具体的に、屋根の葺き替え費用を安くする方法について解説します。
3-1.自社直接施工の業者に修理を依頼する
3-2.葺き替えではなく、葺き直しを検討する
屋根の葺き替え工事は重ね葺き(カバー工法)が施工できない瓦屋根で施工される事例が多いです。
雨漏り修理などの屋根修理で屋根を葺き替える場合は、既存の瓦を再利用する「葺き直し」にすることで屋根の葺き替え費用を大幅に安くすることが可能です。
「葺き直し」とは既存の瓦(日本瓦)を撤去して、野地板(屋根材の土台となるの板)の補修やルーフィング(防水シート)の交換したのちに
撤去した瓦(日本瓦)を戻す屋根の葺き替え工法です。 この「葺き直し」は耐用年数(寿命)が80年〜100年と非常に長い日本瓦でしか施工することができませんが
「葺き替え」と比べて既存屋根材の廃棄費用や、新しい屋根の購入費用が発生しないために、施工費用を大幅に安くすることができます。
4.屋根葺き替え工事の工程
屋根の葺き替え工事の施工期間は雨などの天候状況によっては長引くことがありますが、7日〜8日ほどで工事が完了します。 ここからは屋根の葺き替え工事の工程を実際の施工事例を使って解説します。
【工程1】足場の設置
【工程2】既存の屋根材を撤去
【工程3】野地板の設置
既存の瓦を撤去したら次に屋根を清掃して野地板と呼ばれる屋根材の土台となる板を設置します。 屋根で使用される野地板は12mmの厚みのコンパネ(コンクリートパネル)
が使用されるのが一般的です。 コンパネの厚さは屋根の耐久性に影響するので、見積書を確認する際に必ず確認しましょう。
【工程4】ルーフィング(防水シート)の設置
【工程5】新規屋根材の設置
【工程6】棟板金の設置
【工程7】最終確認・足場の撤去
最後に最終確認を行い、問題が無かったら足場を撤去して屋根の葺き替え工事は終了です。
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