今回は、雨漏り被害の中でも、集中豪雨や台風の大雨などの日に限って雨漏りする…といった場合、その原因は何なのかについてご紹介していきたいと思います。
一口に雨漏りといっても、さまざまな症状が考えられます。例えば、雨が降るたびに天井から水滴がポタポタ落ちてくる…なんて場合、すぐに専門業者に連絡して、修理を依頼する方がほとんどです。しかし、中には、大雨の時は少し雨漏りするけど、通常のシトシト降る程度の雨であれば特に問題は生じない…なんてこともあり、このような場合には対処を後回しにしてしまう方も少なくないのです。
最初に言っておきますが、「大雨の日に限って雨漏りする」という場合でも、家に何らかの不具合が生じていて雨漏りしているのには間違いないのですから、すぐに専門業者に調査を依頼してください。雨漏りは、放置して雨漏り箇所が自然に治るなどということは絶対にありませんし、放置すればするほど、家の劣化が進行してしまい、いずれ取り返しのつかない事態に発展してしまう恐れがあります。
この記事では、大雨や台風の時に限って雨漏りするという場合の、雨漏り原因についてご紹介しておきます。
大雨や台風に限って雨漏りするのはなぜ?
小雨程度の雨であれば、特に何の問題も生じないのに、大雨や台風などの時には雨漏りしてしまう…という現象は意外に少なくありません。もちろん、どこかに悪い部分があるということは住人さんも理解していると思うのですが、普段の雨であれば大きな問題が生じないという場合、雨漏り修理にかかるコストを嫌って放置してしまう…ということも考えられます。
それでは、通常の雨であれば問題ないのに、大雨に限って雨漏りする…というのは、住宅にどのような問題が生じているからなのでしょうか?一般的に、こういった症状が出るのは、以下のようなことが原因と考えられます。
- ・外壁や屋根材が経年劣化している
- ・外壁にクラックが入っている
- ・住宅周りのコーキングが劣化している
大雨に限って雨漏りする…という症状を持つ建物は意外に多いのですが、その原因は様々です。しかし共通して言えることは、これから雨漏りは、今後さらに悪化していくという初期のサインだと考えられ、これを放置してしまうと、家がどんどん劣化してしまうということです。
上述したように、この段階では「普通の雨なら大丈夫だし、修理はまだ先で良い」などとコストを嫌って対応を後回しにする方が多いのですが、この段階で修理すれば、安く雨漏り修理ができるはずなのに、放置した結果葺き替え工事が必要になり、100万円以上のコストになってしまう…なんてこともあるので注意しましょう。
それでは、大雨の時に雨漏りするという場合の、主な原因についてもう少し詳しくご紹介しておきます。
コーキングの劣化が原因
大雨、強風を伴う台風の時だけ雨漏りする…という場合、最も有力だと考えられる原因は、建物の防水処理のために施工されているコーキングの劣化です。一般的な住宅には、本当に多くの場所にコーキングが使用されています。例えば、サイディングの目地にできる隙間を埋めるだとか、窓枠・ドア枠の隙間を埋めるためにコーキングが施されているのです。
このコーキングは、家を建てる際に生じる様々な隙間を埋めるのが目的で、隙間から雨水が建物内に侵入しないように施工されているのです。しかし、施工から7年程度経過すれば、紫外線の影響などで、徐々に劣化が進みます。年数が経過したコーキングは、徐々に硬化していき、表面にひび割れが生じてしまい、それを放置すると痩せて接着力がなくなり脱落してしまうのです。こういったコーキングの劣化は、一気に進むのではなく、徐々に劣化が進行していくといった感じになります。
そしてまだ小さな隙間しか生じていない…という場合、小雨程度の雨であればきちんと防水能力を発揮できるのですが、これが横殴りの大雨が降ると、雨水の侵入を防ぐことができずに雨漏りしてしまう…となるのです。これを放置していれば、隙間はどんどん大きくなりますので、いずれ小雨程度でも雨漏りが表面化することでしょう。さらにそれまでに壁内には水が浸入していますので、業種に修理を依頼した時には、木材がボロボロで雨漏り修理では対応できない…なんてことになるのです。
台風や大雨の日に限って建物内に雨水が侵入している…という場合、家のどこかでコーキングが劣化しているかもしれませんので、一度念入りに確認してみましょう。ひび割れなどを見つけたらすぐに専門業者に相談するのがおススメです。
外壁・屋根の劣化が原因
大雨や台風による雨漏りは、外壁や屋根に小さな不具合が生じてしまい、大量の水が打ち付けることで、そこから建物内に侵入している…ということも考えられます。
例えば、外壁に関して言えば、外壁材自体に小さなクラックが生じてしまっており、通常の雨程度であれば水の侵入は防げるものの、横殴りの雨がたたきつけることで、一気に壁内まで水が侵入していた…なんてパターンは少なくありません。
屋根で言えば、瓦屋根などで、漆喰部分の劣化が進行してしまっており、普段は水の侵入を防げていたものの、大量の雨が降ったことで許容範囲を超えてしまい、屋根内に水が浸入する…というパターンが考えられます。
これらの劣化に関しては、すでに屋根や外壁に不具合が生じていることは間違いありませんし、そのうち大雨でなくても雨漏り被害を生じさせることになるでしょう。つまり、上述したように、「大雨に限って雨漏りする…」といったパターンは、建物の雨漏り被害の初期症状ともいえる状況で、これ以上悪くなる前に何らかの対処をしなければならないタイミングといえるのです。
まとめ
今回は、大雨や台風の時に限って雨漏りしてしまう原因についてご紹介してきました。小雨や通常の雨程度であれば雨漏りせず、想定外の大雨の時だけ雨漏りする…という場合、家の不具合は認識しているものの、その対処を遅らせてしまう…という方が非常に多いです。
しかし、この記事でご紹介したように、大雨や台風時の雨漏りというのは、建物に施されている雨漏り対策の劣化が進んでいるという証拠で、雨漏りの初期症状といえるようなものなのです。もう少し怖い言い方をすると、対処を遅らせてしまうと、どんどんその劣化が拡大していき、しばらくすれば小雨程度でも雨漏りしてしまうようになるということです。さらに、そこに至るまで放置してしまった場合、目に見えない建物の構造部分の木材の腐食を進めてしまったり、シロアリの繁殖を招いてしまう…など、「そろそろ雨漏り修理をしようかな」と思った時には、莫大なコストをかけて建物の修繕をしなければならなくなっている…なんてことが考えられるのです。
建物のメンテナンスは、遅らせれば遅らせるほど被害が拡大してしまい、かかるコストが飛躍的に高くなってしまいますので、何らかの異変を感じた場合にはすぐに専門業者に点検してもらうようにするのがおススメです。コストがかかることですが、結果的に素早い対処をした方が、家の維持費の総額を安くすることができるはずです。