サイディング外壁に塗装は不要?費用や塗装時期とは?
サイディング外壁に塗装は不要?費用や塗装時期とは?
新築時に「サイディングは塗装不要」と耳にした方もいらっしゃるかもしれませんが、サイディング外壁には定期的な塗装メンテナンスが必要です。
築年数が経った後や様々な劣化症状が発生した場合は、すぐに塗装を行いましょう。
今回は、塗装を行うべき時期やかかる費用について詳しく解説しています。
また、サイディングボードを塗装する際に注意すべきことや頻繁に使用される塗料も紹介いたします。
その他、サイディング塗装のDIYや信頼できる業者の選び方についても丁寧にお伝えします。
【目次】
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サイディングの外壁は塗装不要?
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サイディングの外壁を塗装する時期は?
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サイディングの塗装にかかる費用
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塗装するのが難しいサイディングもある?
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サイディング塗装の流れ
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サイディングの外壁塗装と他の工事との比較
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サイディングのデザインを保ちたいならクリア塗装
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サイディング塗装を依頼する業者の選び方
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サイディングの塗装はDIYでできる?
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まとめ:サイディングボードの塗装を成功させるには
❶サイディングの外壁は塗装不要?
もしかすると、新築時に業者から「サイディングは塗装不要です」と言われた方もいるかもしれません。
しかし、結論から言うと定期的な再塗装は必要です。
例えば、サイディングの中で最もシェアの高い「窯業系」は、セメントと繊維で作られています。
サイディングそのものは吸水性のある素材のため、塗膜が劣化すると雨が染み込んでしまうのです。
次にシェア率の高い「金属系」も一見水に強そうですが、実は錆びる素材でできており塗装が必要です。
塗膜の劣化を放置すると、雨や湿気が建物内部にも影響を与えることもあります。
雨漏り・カビ、藻の発生・壁内部の腐食などにつながりかねません。
劣化が進めば進むほど、メンテナンスや補修に大きな費用がかかることになってしまいますので注意が必要です。
節約のために外壁塗装をしない方もいますが、逆に定期的に塗装をした方が少ない費用で家の寿命を伸ばすことができます。
❷サイディングの外壁を塗装する時期は?
では、サイディングはどれくらいの頻度で塗装を行えば良いのでしょうか。
サイディングの塗装時期は、「約10年ごと」が目安です。
使われている塗料によっても耐用年数が異なるため、前回使用した塗料が分かる場合は参考にしてみてください。
塗料の種類 | 塗装時期の目安 |
アクリル系 | 5~7年 |
ウレタン系 | 8~10年 |
シリコン系 | 10~15年 |
フッ素系 | 15~20年 |
一番よく使われているのは「シリコン系塗料」。
サイディング材以外の外壁に使われることも多く、全体の約7割のシェアを占めています。
そのため、だいたい新築や前回の塗装から10年を過ぎていれば、防水効果が切れてきている可能性が高いです。
【参照】日本ペイント
❸サイディングの劣化症状と対策時期
サイディングの劣化症状によっても塗装時期を判断することができます。
前回やった塗装の品質や住宅環境によっては、通常より早く劣化が進んでしまうことも。
紫外線がよく当たる、湿気がたまりやすい、道路沿いで排気ガスの汚れがつきやすいといった家は要注意です。
年に1度は外壁をチェックし、「そろそろ塗装が必要」という劣化のサインを見逃さないようにしましょう。
また、塗膜以外も劣化するので、合わせて確認します。
劣化症状 | 状 態 | 対策方法・時期 |
シーリングの劣化 | サイディングボードの隙間を埋めるシーリングの縮み・浮き・剥がれなど。 | 5~10年ごとにシーリングの打ち替え・打ち増しを。 |
外壁の変色 | ツヤが落ちて色味がくすんできたら、塗膜が劣化してきた状態。 | そろそろ塗装を検討し始めて。 |
チョーキング現象 | 壁を手で触ると白い粉(塗膜が劣化して粉状になったもの)がつく。 防水効果が切れてきた状態。 |
塗装が必要。 |
サイディングの反り | ボードが反ったり浮いたりした状態。 | 交換が必要なこともあるので、業者のチェックを。 |
ひび割れ | 表面や下地にひびが入ると、そこから雨水が侵入する。 | 早急に補修・塗装を! |
塗膜の剥がれ | 下地が見えたところから雨水が入り、建物が急激に劣化する。 | 早急に塗装を! |
❹サイディングの塗装にかかる費用
サイディング塗装の費用は家の大きさによって異なりますが、一般的な戸建住宅なら「100万円前後」が目安です。
シリコン系塗料を使った、広さ30坪程度の戸建住宅を例に取って、費用の内訳を見てみましょう。
内 訳 | 費 用 |
足場代 | 100,000円 |
高圧洗浄 | 40,000円 |
養生 | 40,000円 |
飛散防止ネット | 12,000円 |
シーリング | 100,000円 |
塗装代(シリコン系) | 350,000円 |
廃棄物処理など | 20,000円 |
合計 | 662,000円 |
また、使用する塗料の種類によっても費用は変わります。
一般的に耐用年数が高い塗料ほど高単価です。
塗料の種類 | 単 価 | 戸建30坪あたりの塗料代 |
アクリル系 | 1,400~1,600円/㎡ | 18万円前後 |
ウレタン系 | 1,700~2,200円/㎡ | 23万円前後 |
シリコン系 | 2,300~3,000円/㎡ | 30万円前後 |
フッ素系 | 3,800~4,800円 /㎡ | 50万円前後 |
❺塗装するのが難しいサイディングもある?
中には塗装するのが難しいサイディングもあります。
それは、製品化される際にコーティング処理が行われているサイディングです。
コーディングには以下の種類があります。
・無機コーティング
・光触媒コーティング
・フッ素コーティング
他にもサイディングのコーティングには種類がありますが、これらが一般的なものです。
コーティングされていると、表面に新しい塗料が付着しにくくなります。
無理に塗装して、早々に剥がれてしまうことも。
新築から10年以上経過しているのにチョーキングなどの劣化症状が見られないなら、コーティング処理が施されている可能性が高いです。
コーティングによって劣化していないのなら、そもそも塗装する必要自体がないかもしれませんね。
外壁塗装を検討する際に、サイディングがコーティングされているかどうかは重要なポイントです。
もし分からなければ、新築時の業者などに確認をしておきましょう。
❻サイディング塗装の流れ
サイディングの塗装には、7~10日ほどの期間がかかります。
工事の流れを見てみましょう。
サイディング塗装のスケジュール | 作業名 | 工事概要 |
1日目 | 足場・養生 | 足場を組み、窓などの塗装しない部分をカバーする。 |
2日目 | 高圧洗浄 | 古い塗膜や汚れ、カビ・苔の根などをしっかり除去。 |
3日目 | 下地処理 | シーリング材を補修。サビ止めなど下地も調整。 |
4日目 | 下塗り | 下地と塗装の密着を高める塗料を塗る。 |
5日目 | 中塗り | 長持ちさせるため、仕上げの塗装は2回重ねて塗るのが基本。 |
6日目 | 上塗り | 中塗りと同じ塗料で、薄い部分などをしっかりカバー。 |
7日目 | 点検・足場解体 | 仕上がりを確認し、はみ出したところや塗れていないところは補修。 |
1日目:足場・養生
1日目は近隣への挨拶周りと共に、足場工事と塗装を行わない部分の養生作業を行います。
足場工事は、外壁塗装全体の費用の15〜20%にもなる大きな部分です。
この時に、周りに塗料や工具が落ちないように「飛散防止ネット」を張り安全性を高めます。
2日目:高圧洗浄
高圧洗浄で、古い汚れや塗膜をしっかりと落とします。
こうすることで、新しい塗料が既存のサイディングに馴染みやすくなり、「剥がれ」などのトラブルが起こりにくくなります。
3日目:下地処理
サイディングボードどうしのつなぎ目(目地)に注入するものを、シーリング材(コーキング材)と言います。
サイディングボードどうしが膨張した時に、緩衝材の役割を果たしてくれる大切な部分です。
下地処理の工程では、目地やヒビ割れなどをシーリング材によって補修します。
そうすることで塗装面がならされて、次の工程の塗装を行いやすくなるからです。
4〜6日目:塗装
外壁塗装は3回塗りが基本です。
1回塗るごとにしっかり乾かしてから塗装を重ねることで、長持ちする塗膜が完成します。
雨や雪などで作業が中断し、工期が伸びることもあります。
7日目:点検・足場解体
業者と一緒に外壁塗装の仕上がりを確認します。
はみ出した箇所や塗り切れていない箇所、その他気になる箇所があった場合はここで指摘をしましょう。
足場の解体まで終われば、塗装工事は全て終了です。
❼サイディングの外壁塗装と他の工事との比較
サイディングの外壁工事には、塗装以外に、補修工事、張り替え工事、カバー工法などがあります。
工事名 | 工事内容 | 費 用 | 工 期 |
補修工事 | シーリング、ヒビ割れや剥がれを部分的に修理する工事 | 10〜50万円 | 塗装と変わらない or 少し短い |
張り替え工事 | 既存の外壁を取り外し、新しい外壁に取り替える工事 | 170〜250万円 | 15日前後 |
カバー工法 | 既存の外壁を残したまま、新しい外壁を上から重ねる工事 | 100〜220万円 | 塗装と変わらない or 少し短い |
サイディング外壁からの雨漏りが疑われる場合は、塗装工事だけでは対処できないことも多くあります。
外壁の内側にある防水シート(雨水などを吸収し家の内側に水が侵入しないようにしてくれるもの)などが腐食している可能性が考えられるからです。
その場合には、塗装ではなく、外壁材を新しくする張り替え工事やカバー工法を検討しなければならないかもしれません。
自分の目的に合った適切な工事方法を選択できると良いでしょう。
❽サイディングのデザインを保ちたいならクリア塗装
既存のサイディングのデザインを残したまま塗装を行いたいなら、「クリア塗装(クリヤー塗装)」という選択もあります。
外壁塗装は、「塗り潰し塗装」と「クリア塗装」の2種類に分かれます。
「塗り潰し塗装」は一般的な塗装で、サイディングの劣化や傷を隠し、新品のような仕上がりにすることが可能です。
しかし、元々あったデザインや色は失われてしまいます。
「クリア塗装」は、顔料(塗料の色を出している成分)が使用されていない透明の塗料を使用するので、既存のサイディングのデザインを残すことが可能です。
存のサイディングの色やデザインが気に入っていて傷や劣化が目立たない場合は、クリア塗装がオススメです。
❾クリア塗装の注意点
クリア塗装が向いていないサイディング外壁がいくつかあります。
- ・劣化や傷が激しいもの
- ・光触媒機能(日光で反応し汚れを浮かせる機能)や親水性機能(雨水で汚れを落とす機能)を持った塗料で塗装を行ったもの
- ・表面がツルツルしている金属系サイディング
これらはクリア塗料を弾いてしまう可能性があるため、オススメはできません。
また、クリア塗料には顔料が含まれていないだけで、樹脂などの成分は他の塗料と同様に含まれています。
なので、クリア塗料の中にも、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素などの種類があります。
❿サイディング塗装を依頼する業者の選び方
サイディング塗装は、リフォーム業者や塗装業者、ハウスメーカーなどに依頼します。
費用は依頼する業者によって異なるため、必ず複数社から見積もりをとって比較しましょう。
なぜ複数の業者から見積もりを取る必要があるのかというと、複数の見積もりがあることで初めて、正確なご自宅の外壁塗装の費用が分かるからです。
ネット上には坪数などでおおよその費用相場が出ていますが、それらはあくまで目安にすぎません。
必ずしも、ご自宅に当てはまるという訳ではないのです。
また、極端に安すぎる見積もりは「質が悪い塗料を使っている」「手抜き施工で長持ちしない」などの可能性もあります。
見積もりをとったら、工事内容や内訳もしっかりチェックしましょう。
業者選びで失敗しないためには、相場に近い価格を出す優良業者を見極める必要があります。
そのため、まずは数社に依頼し見積もりで、だいたいの金額の相場を把握しておくのもおすすめです。
⓫サイディングの塗装はDIYでできる?
節約のために「自分で塗装したい」という方もいるかもしれません。
DIYの費用は、30坪程度の戸建住宅で「30~50万円」が目安です。
ペンキなどの材料代に20~40万円、足場代に10万円ほどかかります。
DIYは業者に依頼した場合の半分ほどの費用で済みますが、あまりおすすめはできません。
塗料がしっかりと防水性能を発揮するには、ムラなく塗れる高い技術が必要だからです。
また、業者の塗装では「高圧洗浄」でホコリや古い塗装、カビやコケの根までしっかり除去してから塗装を施します。
洗浄が不十分だと1~2年で塗膜が剥がれることもあり、結局は塗り替えや補修で余計なコストがかかってしまいます。
やはり、外壁塗装は専門的な技術を持つ業者に依頼するのが良いでしょう。
⓬まとめ
サイディングボードの塗装を成功させるには?
ここで、今回の内容について簡単にまとめておきましょう。
◆サイディングに塗装は必要? |
定期的な塗装が必要です。 塗装せずにそのまま放っておくと、雨や湿気の浸入により、雨漏り・壁内部の腐食などに繋がってしまう可能性もあります。 そうなってしまうと、塗装よりもさらに大きな費用が必要になりかねないため、定期的に塗装するようにしましょう。 |
◆サイディングはどのくらいの頻度で塗装すれば良い? |
10年の1度を目安に塗装するようにしましょう。 ただし、前回使用した塗料の種類によっても耐用年数は異なるため、確認しておきましょう。 |
◆サイディングの塗装にはいくらかかる? |
一般的な戸建住宅なら100万円前後で実施することができます。 ただし、塗装面積や塗料の種類、依頼する塗装会社によって工事費用は異なります。 |
サイディングボードが丈夫な外壁材であろうと、定期的な塗装は必要です。
前回の塗装から年数が経った時や劣化症状が見られた時などは、できるだけ早く塗装を検討しましょう。
また、塗装は使用する塗料が大切です。
各塗料の特徴をしっかりと把握した上で、業者に自分の希望を相談してみてはいかがでしょうか。
外壁塗装の業者選びも、同様に大切だと言えます。
失敗しないためにも、複数の業者から見積もりを取り比較をした上で、施工をしてもらう業者を決めたいところです。
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