どの屋根材がいいのか? 台風被害に強い屋根材の選び方とは?
どの屋根材がいいのか? 台風被害に強い屋根材の選び方とは?
今年も地球温暖化の影響で海水温度が上昇したため、幾つもの台風が日本に到来し全国各地で大きな被害が発生してしまいました。
この台風で、皆さんのお家でも、強風の被害にあわれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ご存じの通り、台風や集中豪雨で、もっとも風雨の影響を受けるのは屋根なんです。
今回は、毎年話題になる「台風被害」に強い屋根はなにか?をご紹介したいと思います。
近い将来、屋根のメンテナンスや葺き替えなど計画している皆さんに是非参考になれば幸いです。
台風が頻繁に上陸する地域にお住まいの方や、引越する予定がある方は、マイホームを守る要である屋根であり、それを構成する“屋根材”選びにも慎重にならなければいけませんね。
では、「台風に強い屋根」にするには、どのような屋根材を選んだら良いのでしょうか?
ここでは、台風対策として屋根材に求めるべき性能や、各屋根材の特徴、おすすめの工法についてお話ししていきます。
❶台風に強い屋根材を選ぶ際のチェックポイント
台風が近づくと風速10m/s以上の風と雨が建物に吹きつけます。
暴風域に入れば風速は25m/s以上から場合によっては30m/s以上にもなります。
記憶も新しいと思いますが、今年8月の台風11号の情報を見ると、「最大瞬間風速が75メートル!この予想は過去の長い歴史の中でも日本では5回しかないような猛烈な風で、建物が崩壊するような暴風です」と注意を呼びかけたニュースを見ました。
平均風速30以上の台風は珍しくもありません。
風速30m/sとは、時速に換算すると108km/h以上に相当するとの事で、非常に危険です。
車が、高速道路を100km/h以上で走っている時の車の受ける風圧に匹敵するそうです。
すごい風圧ですよね!
ここまで来ると、想像することも難しいほどの風の威力です。
これらは平均風速ですので、最大瞬間風速はもっと大きな数値になります。
これは何かに捕まらないと立てないほどの強風ですから、屋根にも相当のダメージがかかることが想像できますよね。
台風に強い屋根を作るには、屋根材の耐風性能、防水性能、重量が要となります。
それぞれについて、チェックすべき点を見ていきましょう。
①耐風性能
屋根が強風を受けると屋根材のズレやめくれが起こり、雨漏りが生じる場合があります。
そして、風にあおられた屋根材が剥がれて飛散すると、近隣の建物や車に当たったり、最悪の場合は人に直撃したりするケースも。
こうした事故を防ぐためには、強風でも変形しない頑丈な屋根材を、ズレや飛散が起こらないようしっかりと固定できる工法で設置しなければいけません。
②防水性能
台風が接近した際は、さまざまな方向から強い雨が吹き込みます。
どの角度からの雨にも耐えられるよう、建物上部を隙間なく覆ってくれる屋根材と工法を選びましょう。
また、たとえ雨漏りを防いでも、屋根材に塗装の剥がれやひび割れがあればそこから水分が侵入し、建物全体を劣化させる可能性があります。
防水性能だけでなく、耐久性と耐食性もチェックしたいところです。
③重量
強風によるズレや飛散を防ぐには、より重い屋根材を選べば良いと思われるかもしれません。
しかし、風速25m/s以上の台風は一番重い瓦でさえも吹き飛ばすことがあるので、必ずしも重い=安全とは言えません!
台風による被害を防ぐには、ある程度の重さを考慮するだけでなく、均一に屋根の下地へ固定するための工法を選ぶことも必要です。
当社が扱っている「ジンカリウム鋼板」の「ディーズルーフィング」はインターロッキン機構工法により、屋根材と屋根を一体化させ、強風にも決して剝げるようなことはありません。
メーカーの「耐風試験」では、風速80m/sでの試験も実施し合格している屋根材です。
❷台風対策における各屋根材のメリットと注意点
日本の代表的な屋根材である瓦、スレート、ガルバリウム(ジンカリウム)鋼板。
台風対策としてこれらを使用する場合、どのようなメリットと注意点があるのでしょうか?
前項の「台風に強い屋根材を選ぶ際のチェックポイント」を参考にしながらご説明します。
・瓦
瓦は粘土を成形して高温で焼き固めた屋根材です。
台風対策としてのメリットは、なんといっても「重量」。
1㎡当たり約50kg以上と屋根材の中では一番重く、強めの風にも飛ばされません。
また、陶器と同じ焼物であるため防水性が高く、耐候性も十分です。
そんな、台風対策に最適と思える瓦ですが、風速25m/s以上の暴風域では飛ばされる可能性があります。
古い物件ではガイドライン工法が出来る前に施工されているので、強風時に瓦がズレて重い瓦が歩行者を直撃したら……大ケガは免れないでしょう。
瓦屋根を葺く場合は、瓦を下地にしっかりと固定できる工法を選ぶことと、定期的な点検で劣化をいち早く見つけることが肝心です。
・スレート
スレートはセメントを主原料とする薄い板状の屋根材です。
重量は瓦の1/2~1/3ほどですが、正常に施工された状態であれば強風でも簡単にはズレたり剥がれたりすることはありません。
また、スレート自体に防水性はないものの、高い防水効果のある塗膜が雨水の侵入を防ぎます。
注意すべき点を挙げるならば、それは屋根材そのものの劣化です。
スレートは劣化すると反りが生じて釘浮きが起こり、横殴りの雨が降ると隙間から雨水が入りこむ心配があります。
さらに、風雨や紫外線などの影響で塗装が剥げると、防水効果が失われてしまう恐れも。
回避するには定期的に塗装メンテナンスが必須です(一度目のメンテナンスは設置から10年後、その後は5年ごとに要メンテナンス)。
・ガルバリウム鋼板(ジンカリウム鋼板)
ガルバリウム鋼板は、鋼板にアルミニウや亜鉛などでメッキ加工を施した屋根材です。
屋根材同士の隙間が少ないため強風にあおられても剥がれにくく、素材自体は金属製なので、非常に高い防水性能があります。
金属ながら、サビに強く、風雨にさらされても劣化しづらい点も魅力です。
台風対策の注意点としては、まず屋根材を下地にきちんと固定しておくこと。
ガルバリウム鋼板は非常に薄く、しっかり固定されていないと剥がれたりめくれたりする場合もあります。
そして、飛来物が当たってメッキが剥がれるとそこからサビが発生するため、瓦やスレートと同じく定期的な点検が欠かせません。
❸台風に強い屋根材を活かす工法
優れた屋根材も、その特長を活かす工法で設置しなければ台風対策としては不十分です。
猛烈な風雨にも負けない屋根を作るための工法を、いくつかご紹介します。
・ガイドライン工法
災害時の屋根の脱落を防止する目的で2001年に発行された「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に基づく工法です。
対象となるのは瓦(粘度瓦)とスレート(厚型スレート)で、そのやり方は屋根材を釘・ビスで屋根本体に固定するというもの。
台風対策に関しては、全国の自治体で定められた「基準風速」をもとに、それに耐えうる屋根の取り付け工事を行うため、細かい施工内容は地域ごとに異なります。
・金属系屋根の工法
金属屋根の場合でも、さまざまな工法があります。
たとえば、平葺き、縦葺き、横葺き、金属瓦葺きなど。
どの屋根材にも注意点はありますが、メリットを活かせる工法を選ぶことで、台風に強い屋根を作ることができます。
屋根材や工法を選ぶ際は、ぜひ上記を参考にして、安全・安心な暮らしを手に入れましょう。
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