スレート屋根の苔はどうして放置してはダメなのか?
スレート屋根の苔はどうして放置してはダメなのか?
お住いの屋根にコケや藻が発生するのは珍しくありません。
新築やリフォーム後、きれいだった屋根も時間が経つにつれてだんだんと屋根の汚れが目立ってくるようになります。
屋根にコケやカビ、藻が生えている状態は美観が悪くなるイメージもありますが、美観の問題だけでなく実は建材の劣化も早めてしまっている可能性があるのです。
そこで今回は、屋根のコケや藻、カビが生えてしまう理由やメンテナンス方法をご紹介いたします。
【目次】
❶苔、藻などが生えやすい場所や建材
❷コケや藻、カビが発生する原因
❹コケや藻、カビが発生した場合は?
❹まとめ
築年数がある程度経過したお住まいでスレート(コロニアル・カラーベスト)屋根の場合、苔が生えていることがほとんどです。
特に日当たりの悪い北側に多く見られます。
この苔、美観だけじゃなく、屋根にも悪影響を与えていることを覚えておいてもらいたいと思います。
苔の生えたスレート屋根
北側と南側で生え方にかなりの違いがある。
北側は一面を苔が埋め尽くしている。
苔が生えるとその部分の水捌けが悪くなります。
その周りにも水分が供給されるので、より苔が生えやすくなります。
どんどん拡がりやすい環境になってしまうのです。
また苔が生えた部分には風で飛んできた砂などが溜まりやすくなりますから、より水捌けが悪くなります。
水分はお住まいとその建材にとって大敵です。
スレートに生えた苔に溜まった雨水は蒸発するまでそこに留まることになりますから、ずっと湿ったままです。
ただ湿ったままならまだ良いのですが、冬場はそこで凍結することになりますので、水とスレートの収縮率と膨張率の違いで表面を傷めることになります。
苔は水に晒されると膨張しますが、スレート自体は膨張しませんのでこれまた傷める原因になります。これに夏場は紫外線と熱の影響が加わります。
太陽に晒されるスレート屋根
苔のほとんどないスレート屋根です。
日当たりと風通しによっては苔の繁殖を防げるが住宅街では稀なケース
つまり、苔が苔を呼び、砂を呼び、水分を貯めこみ、いろいろな悪影響を呼び込むわけです。
苔の発生は水捌けが悪くなってきたサインでもありますから、屋根塗装をする時期になった合図でもあります。
最近、屋根に苔が目立つようになったという方は屋根塗装を検討してはいかがでしょうか。
梅雨に突入しますと、苔の繁殖スピードも早まりますのでその前に対処しておくことをお勧めします。
❶苔、藻などが生えやすい場所や建材
苔や藻が生えやすいイメージとして日当たりの悪い場所と思われる方が多いのではないでしょうか。
屋根の場合も日当たりの悪い場所は特にコケや藻が発生しやすくなっていますが、すべての屋根面にコケや藻が発生している場合もあります。
実はコケや藻は太陽光が嫌いでない種類のものもたくさんあるのです。
それらが日当たりの良い屋根の上や外壁のところで繁殖をしてしまうのです。
ちなみに、藻やコケ、カビを厳密に見分けることは難しく、コケだと思っていたが実はカビや藻だったということもあります。
・コケの発生しやすい場所
ある程度の築年数が経過しているスレート屋根には特にコケが発生しやすくなっています。
スレート屋根(カラーベスト、コロニアル)や水キレが悪くなったセメント瓦やコンクリート瓦(モニエル瓦)の屋根などはコケが特に発生しやすいです。
また、粘土瓦の屋根でも日当たりが悪い場所に土などが堆積するとそこに繁殖することがあります。
乾きの悪いベランダやバルコニーの床や排水路にも発生します。
・藻の発生しやすい場所
コケ同様にスレート屋根や水キレが悪くなったセメント瓦、コンクリート瓦の屋根などに発生しやすいです。
また、窯業系サイディングやモルタル外壁、コンクリート部分等にも発生します。
雨樋の裏側に発生している場合も多いです。
・カビの発生しやすい場所
カビはコケや藻とは異なり、菌類であるため日光を全く必要としませんが明るい場所でも発生します。
雨水などの水分が染み込み長く滞留する部分、木材や軒天の部分に発生しやすいです。
スレート屋根や水キレが悪くなったセメント瓦、コンクリート瓦の屋根などの枯れたコケや藻に発生することもあり、黒や灰色の部分はカビであることが多いです。
また、雨漏りしている屋根の小屋裏で見られるのはほぼカビになります。
❷コケや藻、カビが発生する原因
苔や藻、カビの共通点として胞子によって増殖することがあげられます。
この胞子はとても軽く何千メートルも舞い上がると言われています。
また1立方メートルの空気中に少なくとも数個から数百個、多ければ数千個の胞子が漂っていると言われており、これらの胞子が着地した環境が繁殖に適していればそのまま増殖してくのです。
この胞子が飛散する季節は基本的に1年中になります。
繁殖に適した環境というのは水分があるかどうかです。
屋根や外壁にコケや藻、カビが生えるということはその部分の水キレが悪くなっていたり、水分を吸収して蒸発しにくくなっているということです。
屋根や外壁の水キレが悪くなる原因あ表面の塗膜の劣化です。
❸コケや藻、カビが発生した場合は?
基本的には中性洗剤を薄めてスポンジやブラシでやさしく擦り落としていくことがおすすめです。
しかし、この方法は自身の手に届く範囲のみです。屋根や高い場所の外壁の苔や藻、カビなどの汚れは自分で落とすのは大変危険ですのでやめましょう。
また、外壁などにコケや藻が発生している場合は周囲の環境を確認してみましょう。
コケなどが発生していない箇所とくらべてみて、風通しの悪い、乾燥のしにくい場所になっていませんでしょうか?
周りに植木を並べていたりするのも原因の1つです。移動などして風通しがよくなるように工夫してみてはいかがでしょうか。
❹まとめ
先ほどご説明したように、コケや藻などの洗浄をおこなってみてもすぐに再発してしまうといったこともあります。
再発する原因には防水性が低下している理由などがあります。
特に屋根や外壁に発生したコケなどは防水性の低下が原因でこういった場合は塗装などのメンテナンスを行う必要があります。
塗装によるメンテナンスを行う際には、バイオ洗浄やコケなどを防いでくれる塗料の使用もおすすめです。
バイオ洗浄は、殺菌抗菌作用のある洗浄液で、コケなどを分解する成分が備えられています。
高圧洗浄をしてからバイオ洗浄を行い再度高圧洗浄で洗い流していきます。
また、コケなどが発生しにくい塗料には、フッ素や無機系、遮熱塗料がおすすめです。
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