屋根材「ディーズルーフィング」の切断面の自己修復作用とは?
屋根材「ディーズルーフィング」の切断面の自己修復作用とは?
最近は、屋根のリフォームで、地震や耐風性能を考え、軽量鋼板屋根材(ディーズルーフィング)を使用した「カバー工法」が当社でも盛んに行われています。
お問合せの中で、「鋼板屋根のカバー工法や葺き替えの時に、屋根に合わせた鋼板屋根材の切断面から錆びないか?」といった質問を多くいただきます。
結論から言って、ジンカリウム鋼板屋根材の切断面からの「サビ」は殆どありません。
なぜなら、アルミニウム (Al) +亜鉛(Zn)の合金メッキ鋼鈑のジンカリウム鋼板は、「自己修復作用」があるからです。
今回は、当社も推奨している「ジンカリウム鋼板・ディーズルーフィング」の切断面の「自己修復作用」についてお話ししたいと思います。
ジンカリウム鋼板[アルミニウム (Al) +亜鉛(Zn)の合金メッキ鋼鈑]には「自己修復作用」という優れた特性があるので、ハサミを入れた切り口や傷が、亜鉛メッキ鋼鈑
(トタン板)のように直ぐに錆びるわけではありません。
「自己修復作用」を簡単に説明すると、ジンカリウム鋼板の表面に傷がついたとしても、メッキ材であるアルミニウムと亜鉛がお互い助け合いながら傷を修復し、基材である
鉄(鋼板)が錆びるのを防いでくれます。
この「自己修復作用」があるおかげで、ジンカリウム鋼板はメンテナンスの回数を抑えることとが出来るため、耐久性の高い建材として住宅をはじめとして様々な建築に使われています。
また、”直ぐ錆びる”と一般的には評判の悪い「亜鉛メッキ鋼鈑(トタン板・亜鉛鉄板)」ですが、実は、鉄よりもイオン化傾向が高い(錆びやすい)亜鉛が先に錆びることで、中側の鉄が錆びるのを防いでいることはほとんど知られていません。
これは「犠牲防食作用」といい、高校野球の犠牲バントのよなもので、「Fe・鉄君」を進塁させるために「Zn・亜鉛君」が自らを犠牲にしています。
(この事実を知った後では、錆びたトタン板を見ると、「Zn・亜鉛君」を応援したくなるのではないでしょうか。)
さらに、昔のおもちゃなどに使われていたブリキ板は、鉄よりもイオン化傾向が低い(錆びにくい)錫(Sn)を、鉄板の外側にメッキした錫メッキ鋼鈑といわれるものです。
鉄よりも錆び憎い材料で覆っているので錆びにくいと考えがちですが、実は、表面に傷がついて中の鉄が現れて錆びはじめると(錆びる条件が揃うと)、亜鉛メッキ鋼板の
「Zn・亜鉛君」のように錆の進行をくいとめてくれる者がいないため、錆の進行はとまらず板に穴があきます。
少し話しがそれてしまいましたが、建築・住宅を形作る建築材料の中には、「自己修復作用」や「犠牲防食作用」のような奥深い世界が広がっています。
この様に、現在 屋根リフォームにおいて、地震対策としても軽量屋根にしたいんだけど「錆びないか?」の問題は解決できると思います。
実際に現物をご確認していただければ、ご納得いただけると思います。
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