屋根葺き替え工事期間とは?

屋根の葺き替え工事にかかる期間の目安って?

家の断熱性や耐震性の向上のために検討したい屋根の葺き替え。
その工事にかかる期間は屋根の大きさや勾配、劣化状況によってまちまちです。

また、工事中の騒音や業者の出入りによるストレスを最小限にするには、天気が安定している時期に工事をして工期を延ばさないことが重要です。
今回は、屋根の葺き替え工事にかかる期間の目安と、工事に適した時期を解説していきたいと思います。

 

目 次

屋根の耐用年数とは?

1-1屋根の寿命だけではない

1-2ルーフィングの重大な役割

1-3ルーフィングの寿命

1-4耐用年数を過ぎた屋根の症状

屋根の葺き替えの基本工程

2-1足場組み立て

2-2古い屋根材の撤去

2-3下地の張り替え

2-4ルーフィング施工

2-5屋根材の取り付け

2-6足場解体/清掃

屋根リフォームの工期が長くなる要因

 

先ずは、屋根の葺き替えにあたり、屋根自体の耐用年数についてお話ししたいと思います。

 

屋根の耐用年数の違い

屋根の耐用年数とは?

 

耐用年数とは「防水性を保てる年数」

屋根には「日光の遮断」「風の遮断」「建物の印象決め」などさまざまな役割がありますが、その中でももっとも重要な役割は「雨の遮断」、つまりは『防水性』です。

住宅のトラブルのなかでも、雨漏りの影響は非常に大きいです。
家が雨漏りが起こすと、内装・家財・住人が水濡れの被害を受けるばかりでなく、建物そのものの老朽化が早まります、その家に住める年数が大幅に短くなってしまいます。

 

屋根材の寿命だけを気にしてはいけない

屋根の防水能力には、表面の「屋根材」だけでなく、屋根の下地に張り付けられている「ルーフィング」(防水シート)も大きく関係します。

その重要性は意外にも大きく、ルーフィングさえ問題なければ、屋根材に劣化があっても建物は雨漏りを起こすようなことはありません。
そのため、屋根の耐用年数を気にする場合は、屋根材の寿命だけではなく、ルーフィングの寿命も気にする必要があります。

ディーズルーフィング・コマーシャル画像

ルーフィングとは?

ルーフィングとは、屋根材と、屋根の下地木材の間に張られている防水機能をもったシートのことです。
スレートや瓦などの屋根材は豪雨の時など雨水を完全に防げるわけではなく、ある程度内部に通してしまいます。

ルーフィングは、その内部に通ってきた水分が下地木材に触れるのを防ぎ、勾配を利用して屋根材のすき間や軒先から排出する役割をもっているんです。

下記の図でお分かり頂けると思います。

ルーフィング・アイコン

ルーフィングの役割イラスト解説画像

屋根材には問題がなくても、内部のルーフィングは耐用年数を過ぎて機能を失っている可能性があるので、注意が必要です。

ルーフィングの耐用年数は「30年」

一般的なルーフィングの耐用年数は、30年間といわれています
酷使した場合は20年、長くても40年以内には交換が必要と言われています。

屋根材の耐用年数だけが長くても意味がない

和瓦以外の屋根では、ルーフィングだけを交換することができないことにも注意が必要です。
屋根材の寿命が長期間残っていても、ルーフィングの寿命が来てしまったら、屋根材とルーフィング両方を交換する必要があります。

 

耐用年数を過ぎた屋根はどうなる?

耐用年数を過ぎた屋根を放置していると、次のような症状があらわれてきます。

屋根の色あせ

屋根材のヒビ、割れ、変形

雨漏り

家の躯体(構造体)の腐食

 

経年劣化による屋根材の傷み

 

強風や地震などで破損した屋根材画像

 

屋根裏の雨漏れ被害画像

症状が進むほど、修理費用も高額になります。
雨漏りのトラブルを防ぎ、家が住めなくなってしまう前に対策をすることが肝心です。

それでは、屋根の耐用年数の概要が分かったと思いますので、実際に屋根の葺き替え工事についてお話ししていきましょう!

グラスビトウィーン・コマーシャル画像

屋根の葺き替えの基本工程とは

日本家屋で一般的な切妻屋根の葺き替えを例にした場合、作業の着手から撤収までには約1週間の期間を要します。
ここで紹介するのは基本的な工程なので、屋根の状況次第でそれぞれの工期が伸縮すると考えましょう。

❶足場組み立て(所要期間:約1日)
2m以上の高所作業には、原則として足場の組み立てが必要です。

足場組立画像

❷古い屋根材の撤去 (所要期間:約1日)
日本瓦やスレート瓦など、外から見える屋根材と瓦を引っ掛ける桟木を撤去します。瓦の下からは大量の土が出ることもあり、その状況次第で屋根材撤去の所要時間は前後します。

屋根葺き替え工事画像

❸下地の張り替え(所要期間:約1日)
屋根の下地である野地板の傷み具合によって作業内容が変わります。傷みが少なければ既存下地の上に合板を重ねる「増し張り(所要期間:約半日)」で対応できますが、野地板の劣化が激しければ「張り替え(所要期間:約1日)」が必要です。
既存下地が再利用できる場合は次の工程にスムーズに移行できます。

野地板の張替え(増し張り)画像

❹ルーフィング 施工(所要期間:約半日)
野地板の上に、ゴムアスファルトなどの素材でできた防水シートを張る作業です。
防水シートは屋根材の隙間から雨が入り込んできても、野地板に水が浸みるのを防ぐ役割を果たします。

ニューライナールーフィング施工完了画像

ルーフィング・アイコン

❺屋根材の取り付け (所要期間:約2日)
接合部に防水処理を施しながら屋根材を取り付けます。
同時に、雨樋の取り換えや雪止めの設置を行う場合は工期が延びます。

ディーズルーフィング・ディプロマットスター施工画像

 

ディーズルーフィング・ディプロマットスター(カフェ)画像

お勧めの屋根材アイコン

❻足場解体/清掃 (所要期間:約1日)
足場を解体し、家屋の周辺を清掃します。

外壁塗装が完成したので足場を撤去画像

屋根リフォームの工期が長くなる要因

 

屋根の葺き替えにかかる期間は屋根の大きさや状態によって変わります。
次のような条件がある場合は、作業が慎重な作業が求められるため工期も長くなりがちです。

屋根の形状が特殊である
屋根の傾きが急である
屋根の下地が劣化している
1階にも屋根がある
近隣に駐車できる場所がない
隣家との距離が狭い

 

屋根の葺き替えを短期間で行う「カバー工法」

屋根カバー工法(ディーズルーフィング・ローマン)画像

一般的な葺き替え工事は、既存の屋根材を撤去する手間がかかりますが、既存の屋根材の上から防水シートと金属屋根を張る「カバー工法」なら、工期を短縮できることがあります。
スレート屋根や金属屋根のリフォームを検討中の方は、カバー工法が適用可能か施工業者に相談してみましょう。

屋根カバー工法・アイコン

 

天候不順によって工期が延びる場合も

屋根の上での高所作業には常に危険が伴うため、雨や突風がある日は作業を進めることができません。
梅雨や台風の時期は、1週間で終わる作業に2週間かかってしまうことも少なくないので、屋根の葺き替え工事をなるべく短期間で済ませたいなら、3月から5月、7月、10月から12月に施工を依頼するといいでしょう。

ただ、工事に適した季節を待って雨漏りやひび割れなどの異常を放置していると、家屋そのものにダメージが及び、修理費用や工期がかえってかさむこともあります。
屋根の異常に気づいたら、なるべく早く信頼できる施工業者に調査を依頼しましょう。

 

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