思っていた希望色と違う色で塗装された
実際に工事が始まると希望していた塗装の色が違い、施工業者と施主でもめるパターンがあります。
外壁の色については、施工前に行われる打ち合わせで、カラー見本を見ながら決めていきます。紺色を希望したのにも関わらず黒色だったなど、明らかに希望色と違う色で塗装されていれば施工業者側の責任です。
しかし、依頼した色で塗られていたのにも関わらず、実際の色が違うこともあります。というのも室内で見た場合の色と、太陽光の下で見た色では面積効果により、光の加減で色味が変わってくることもあるからです。
このように、施工後に後悔しないためにも、打ち合わせ時には色見本を確認するだけでなく、太陽光の下で色の確認をしたり、壁に塗った時の状態を確認しておくことが大切です。
施工後の塗りムラ
明らかに見たでムラがある状態の場合は施工不良と言えます。しかし、日向・日陰など光の加減によってムラがあるように見えたり、プロが目を凝らして見て初めて確認できる程度のムラがあったりという場合は施工不良にはならず、塗り直しを断られることもあります。
エアコンや給湯器などが使えなくなった
塗装面以外に塗料が付着しないように、壁面塗装では工事前にビニールや養生テープなどを用いて塗料が付着しないように養生を行います。
給湯器の裏や室外機の間など、養生ができていない場合、塗料などが付着することでエアコンや給湯器などが使えなくなることもあります。そのため、施工完了後はすぐに動作確認を行うことが重要です。
また最近では室外機用養生カバーなど、専用の養生カバーもあります。見積もり時や施行前に使用が可能か、確認しておくと良いでしょう。
なお、室外機用養生カバーなどを用いるケースを除き、外壁塗装時には、エアコンの使用を中止するか、もしくは移動します。これは室外機からの排水などによって、施工不良にならないようにするためです。
もし仮に施工期間中にエアコンを使用してしまい、結果的に施工不良になった場合などは依頼主側の責任となるため、十分な注意が必要です。
塗り残し
外壁塗装工事の前には契約書を取り交わします。契約書内には施工期間の他、施工箇所についても記載されます。施工箇所について、契約書との内容にそごがある場合、つまり塗り残しがある場合は再塗装を依頼します。
特に塗り残しが多いのは、室外機や給湯器の裏の部分や足場に乗って確認しないとわからないような屋根付近、庭の植木などに隠れた部分など、普段目が届かないような見落としやすい場所です。工事完了後、十分確認をしないと見落としてしまうことがあります。
塗装の剥がれ
通常、塗装前には汚れや古い塗料を完璧に洗い流してから工事を行います。これは以前の塗料や汚れが残ったまま塗装を行うと、塗料が壁にうまく密着せず、結果的に新しく塗った塗料が剥がれてしまうからです。
そのほか塗料が剥がれる原因としては
- 塗料と外壁材の相性が悪い
- 中塗りや下塗りをしていない
- 下塗り材と中塗り材の相性が悪い
- 下塗りが十分に塗られていない
- 十分な乾燥が出来ていない
などが挙げられます。
このように、塗料を塗ってから1年未満など、短い期間で剥がれが生じた場合は、施工不良を疑った方が良いです。
ブツブツとした小さな穴
塗装面に、ブツブツとした小さな気泡が狭い場所に集中してある場合は施工不良と言えます。下塗りや中塗りが乾燥する前に上塗りをすると、小さな気泡ができてしまいます。この小さな穴のことを、ピンホールといいます。
特に極端に施工期間が短い場合、塗料メーカーが推奨する乾燥期間を無視して施工している可能性があります。
この場合、気泡部分から雨水などが入り込み、外壁を痛める原因にもなるため、塗り直しを依頼することが必要です。
ピンホールが発生するタイミングの目安は、1週間から10日程度ですので、施工後は外壁の状態をよく観察しておきましょう。
悪徳業者による施工不良
外壁塗装においては、多くの施工業者が存在します。その中には雑な工事を行う悪徳業者などもいます。
上記のケースとは違い、悪徳業者はより回転率を上げるため、以下のような工事を行うこともあります。
3度塗りの予定が1~2回しか塗られていない
外壁塗装の工事は、
下塗り
中塗り
上塗り
の3回に分けて塗られることが一般的です。
施工期間の短縮や材料費の削減を目的として、下塗りや中塗りを省く、手抜き工事を行う悪徳業者もいます。
上塗りさえしていれば見た目の違いが出ないため、素人では下塗りや中塗りが省かれていることに気付くことができません。
下塗りをしていなければ、施工後数カ月で塗装剥離などの不具合が出てきます。その時に初めて施工不良だと気づきます。
このような事態を防ぐため、ある程度の外壁塗装に関する知識などは事前に把握しておく必要があると思います。
予定していた塗料よりもグレードの低い塗料が使用された
例えば、当初説明を受けた際、もしくは契約書に、使用する塗料がフッ素塗料と書かれていたとします。実際にフッ素塗料は性能が良く、5000円/㎡ 程度など、それだけ価格が高いです。
しかし実際に使用された塗料が違う塗料であった場合やメーカーが違うものだった場合、グレードの低い塗料が使用されていることもあります。
塗料の種類によっては耐久年数が違ったり、特性が違ったりするため、外壁の劣化が早まったり次の塗り替えの時期が早まったりします。
悪徳業者が施工費削減が目的で意図して行っていることもあるでしょう。
施工後に後悔しないためには、契約書に書かれている塗料の種類やメーカーと、実際に使用されている塗料の種類やメーカーが同じかどうかを確認しておく必要があります。
外壁塗装施工不良、どう対応すれば良いのか?
実際に外壁塗装工事を依頼した際に施工不良となってしまった場合の対応について。
まずは業者に“相談”する
施工に不安が見られた場合、まずは業者に相談しましょう。この際、業者による施工不良だと決めつけてしまうことは避けます。
上述した通り、施工中に関する業者との事前の決まりごとを忘れてしまっていた場合など、依頼主側の責任であることもあるからです。
外壁塗装は1回きりではなく、約10年に1回を目処に工事をしなければなりません。そのため、業者との関係は非常に重要です。明らかな施工不良を除き、今後の関係を保つためにも、まずは相談した上で、トラブルの対処を行いましょう。
クーリングオフを利用する
クーリングオフとは、一度契約をおこなった後でも一定期間内であれば契約を解除できる制度のことです。
クーリングオフ制度が適用されると、支払った金額は全額返金されます。また、外壁塗装の場合、仮に工事が進んでいても無料で原状回復をおこなってもらえます。
ただし、クーリングオフが適用されるのは契約から8日目以内となります。事前に取り交わした工事請負契約書に施工期間と併せて契約日なども記載されているので確認しましょう。
また、主にクーリングオフが適用されるのは訪問販売や電話勧誘などによるケースとなっています。場合によっては解除ができない可能性もあるため、まずは下記のように専門家や第三者機関に相談することが重要です。
専門家に相談する
施工不良部分を直してもらえなかったり、トラブルが長引き、解決しないこともあります。このような際は、以下の専門家や第三者機関に相談することをおすすめします。
■【消費者庁】消費者ホットライン(全国統一番号:188) クーリングオフ |