洗濯物を干したり、布団を干したり、趣味の小鉢植えを育てたりと意外と出入りすることが多い、お家のバルコニーやベランダ、
ちょっと汚れや傷みが気になっている方も多いのではないでしょうか。
実はバルコニーやベランダは、非常に雨漏りの原因になりやすい場所です。
雨が直接当たる場所ですが、人が歩けるようにするため屋根のような傾斜をつけていないからです。
傷んで隙間ができたり、排水が詰まったりすると、下のお部屋に水が流れ込んでしまいます。
頻繁に使用する場所です、定期的なメンテナンスがとても重要な部分です。
★バルコニー、ベランダ、の違い
バルコニーは2階以上の張り出し部分、屋根なし
ベランダは2階以上の張り出し部分、屋根あり
バルコニー、ベランダ、の違いは屋根の有る無しによる違いです。
バルコニー・ベランダのメンテナンス
バルコニーやベランダでお手入れが必要になるのは、主に床面の防水・笠木・排水口が挙げられます。
床面の防水
バルコニーやベランダのメンテナンスで最も重要なのは、床面の防水です。
傾斜のある屋根や垂直な外壁と違って水が溜まりやすい場所なので、「防水施工」でしっかり保護されています。
しかしこの防水も経年により、紫外線や人が歩くことによる衝撃・摩擦などで徐々に劣化するため、定期的なメンテナンスが必要になります。
一般的なメンテナンス時期は築5~10年頃で、ひび割れや剥がれなどの劣化症状が出たら、時期が来ている目安です。
■防水のひび割れ
細かなひびが入っています。どんなに小さな隙間でも、水は中に染み込んでしまいます。
■防水の剥がれ
表面の「トップコート」という層が剥がれています。下の防水層が直接傷むと、雨漏りに直結してしまいます。
■バルコニーからの雨漏り
バルコニーの下側(軒天)に水がまわり、剥がれてきています。
下のお部屋でも雨漏りしてしまうと大規模な改修工事が必要です。
こうならないよう、定期的なメンテナンスが重要です。
笠木・手すり
実は注意が必要なのが、バルコニーやベランダの「笠木」です。
笠木とは、ベランダの壁の上に乗っている板金で、手すりがついていることも多い場所です。
中に水が入らないように、壁の上を覆うような形で取り付けてあります。
一般的にはアルミやステンレスなどの錆びにくい金属が使われているため、定期的な塗装などはいりません。
しかし、笠木の継ぎ目に隙間ができたり、笠木自体が歪んでめくれたりしてしまうと、そこから雨漏りする危険がとても高くなるため、こうした症状が出たときにはメンテナンスが必要です。
■笠木の継ぎ目
継ぎ目はコーキングなどで埋めているか、金属のカバーが被せてあることが多いです。
コーキングはひび割れていないか、カバーはズレたり歪んだりしていないかチェックしましょう。
■笠木のめくれ
物をぶつけたりひっかけたりして笠木がめくれると、強い風雨の時にそこから雨が吹き込んでしまいます。
笠木は傷みにくい素材でできているため、定期的なお手入れは必要ありませんが、万一傷んでいるのが見つかった時には補修を行ないます。
排水口(ドレン)
バルコニー・ベランダには必ず排水口(ドレン)がついています。
泥やごみなどが溜まって詰まりが発生すると、水がベランダ内に溜まり、雨漏りの原因になることがあります。
■排水口の詰まり
屋外なので、飛んできた砂や落ち葉などが少しずつ溜まってしまいます。
バルコニー防水のメンテナンス方法
バルコニー・ベランダの防水メンテナンスには2パターンあります。
表面だけを直す「トップコート防水塗装」と、下の防水層ごと作り直す「防水工事」です。
劣化状態や築経過年数によって、どちらが良いのか判断しましょう。
5年おきのトップコート塗装
トップコートとは、防水の一番上の保護塗装です。戸建だと色はグレーのことが多いです。
5年おきくらいでこまめに塗り替えることで、防水全体のやり直しを先延ばしにすることができます。
トップコートは下の防水層の種類によって使う塗料が異なるので、金額も多少違いがあります(耐用年数は5年前後で、ほとんど差はありません)。
一般的な戸建住宅のバルコニーは大半がFRP防水なので、新築でまだ一度も防水メンテナンスをしていない方は、まずはFRPの金額を目安にしておくとよいでしょう。
ご自宅の防水の種類が分からないときは、ハウスメーカーや点検に来た専門業者のひとに聞いてみてください。
築10年を経過していたら防水工事から
築10年以上経っている場合や、下の防水層まで劣化が進んでいた場合は、改めて防水層を作り直す「防水工事」を行ないます。
戸建のメンテナンスで最もよく使われる防水工事はウレタン防水です。
他の防水に比べて施工しやすく、費用も安価というメリットがあるためです。
FRPなど別の防水の上からでも問題なく施工できますので、ご安心ください。
笠木は隙間の補修か交換工事
■コーキング補修
笠木の継ぎ目に隙間ができている場合は、コーキングで補修します。
コーキングの色自体を笠木と近いものにして、目立ちにくくしてもらいましょう。
■笠木交換
めくれや歪みが起こっていた場合は、笠木ごと交換が必要です。
傷んだものをはがし、新しい笠木を取り付けます。
ただし、すでに雨漏りが発生していた時は、内部の防水シートや木材の交換、外壁の張り替えなどの工事も別途必要ですのでご注意ください。
排水は定期的に水洗い
排水口・ドレンの詰まりは掃除で解消してあげましょう。
落ち葉など大きめのごみを取り除いたあと、ホースで水を流して細かい砂、泥も流していきます。
頑固な詰まりは、いらなくなった歯ブラシ等でこすり落としましょう。
また、床にタイルやマットを敷いている方もいらっしゃると思います。
タイルなどの下は非常に砂が溜まりやすいので、必ずどかしてから、床全体を洗い流してください。
詰まりを予防するには、・半年に一度ほど水洗いで砂を流してあげる ・植木鉢は排水口から離れたところに置く ・排水口カバーを付けるなどの対策が有効です。
バルコニー防水は外壁・屋根塗装と一緒にやるとお得!
バルコニーやベランダ床面の防水工事は、外壁・屋根の塗装工事とセットで行うのがおすすめです。
なぜなら、防水も外壁・屋根塗装も、どちらも定期的にメンテナンスが必要なものだからです。
一緒に行うことで、将来のメンテナンススケジュールを考えやすくなります。
また、塗装工事のときにはお家全体の高圧洗浄をするのですが、バルコニーの中も一緒に洗ってくれるので、防水工事前に改めて洗浄する手間を省くことができるのもセットで行うメリットです。
二度手間にならないためにも、ぜひバルコニー防水は塗装とセットで検討しましょう。