スレートは、セメントが主成分の薄い板状に加工された建材です。
人工(化粧)スレート、カラーベスト、コロニアルとも呼ばれます。
現在、日本の住宅の8割がこの屋根材を使用して建てられています。
とても人気のある屋根材ですが、何もメンテナンスしないまま放置すると劣化が進み、雨漏りの原因となってしまいます。
雨漏りが起きてしまってからでは、下地の交換など高額な修繕費用が余計に掛かってしまいます。
スレートとは
スレートとは、内壁、外壁や、屋根、天井に使用される建材の一種です。
主成分はセメントで、そこに木片パルプなどの繊維質をつなぎとして練り込んであります。
化粧スレート、カラーベスト、コロニアルとも呼ばれています。
日本の一戸建てでは主に屋根材として普及しています。
なぜなら、和瓦の半分程度の軽さで、地震の際の揺れを軽減できる屋根材だからです。
この屋根材が普及したのは、阪神淡路大震災で瓦屋根のお家が倒壊してしまい、軽量な屋根材にする取り組みが始まったことがきっかけでした。
「天然スレート」と「人工スレート」
スレートには2種類あります。
粘板岩や頁岩という天然の石が材料の「天然スレート」と、
セメントや繊維質のものが材料の「人工スレート」です。
日本の一戸建てで普及しているのは、人工スレートです。
なぜなら、天然スレートは生産量が少なく、施工できる業者が少ない為です。
また人工スレートよりも高額なため施工している建物も少ないです。
但し天然スレートは、ほかの屋根材に出せない高級感のある風合い、高い防火性と防水性を持っている為、東京駅などの公共建築や旧邸宅などの屋根に使われています。
スレート屋根のメリット
スレート屋根は非常に多くのメリットがあります。
軽くて地震に強い
スレート屋根は地震に強いことで知られており、とても人気のある屋根材です。
重量が和瓦(約40kg/1㎡)の半分ととても軽いので、地震の際の揺れを抑えられるためです。
その為、日本の住宅の8割以上がこの屋根材を使用しています。
カラーバリエーションやデザインが豊富
人工スレートは商品ごとにその色やデザインも少しずつ異なります。
そのため、新築や葺き替えの際は沢山あるデザインや色からお家にピッタリなものを選ぶことが出来ます。。
最近では板状のシンプルなデザインだけでなく、意匠性の高いものも増えてきています。
また、屋根塗装の際も、様々な色の中から外壁に合った色で塗り替えることが可能です。
早めのメンテナンスで長持ち
傷みを放置せず早めに塗装メンテナンスを行うことで、防水性を維持してお家を長持ちさせることが出来ます。
なぜならスレートの劣化は水を吸収することで起こることが殆どだからです。
防水塗装で水の浸透をなくせば雨漏りも防げるようになり、屋根だけでなくお家全体を守ることができるようになります。
様々な形状の屋根で使える
スレート屋根は施工方法や形状がとてもシンプルで、横長の屋根を半分から三分の一ずつ重ねて葺く方法となっています。
施工できる業者が多く、不具合があった時も相談しやすい
新しくスレート屋根にする時はもちろん、メンテナンスの際も対応できる業者が多いのが魅力です。
なぜなら、扱いやすく日本で一番普及している屋根材の為です。
相談できる業者が多い分、数あるなかから一番納得できる業者を選べます。
他の屋根材と比較しても、施工費用が安価
スレートは、同じ面積の屋根を施工する場合、他の瓦や屋根材と比べ安価で施工できます。
なぜなら、ほかの屋根材とくらべシンプルな構造で、必要なものがスレートと金具のみと、材料が少なくコストも抑えられるためです。
デメリット
スレートはとても優れた建材ですが、当然デメリットも存在します。
衝撃で破損する場合がある
台風で飛んできたものがぶつかったり、雹があたってしまったことが原因で割れてしまう場合があります。
スレート自体が薄い分、ほかの屋根材よりも衝撃に弱いためです。
その為、最低年に一度は割れている箇所がないかどうか、必ず点検で見てもらい、早期発見をしましょう。
例えば台風の後に見てもらえば、台風が原因で割れてしまったものがあっても早めに補修ができます。
万が一割れた箇所が見つかっても、そこだけ補修したり一部交換が可能で
一部が破損したからと言って突然大掛かりな工事になることはありませんので、ご安心ください。
ただし放っておくと割れが広がったり、落下してきてケガの原因となる危険もあります。
スレートの割れは早期発見し、必ず補修を行いましょう。
経年劣化が雨漏りの原因になります
建ててから何年か経つと、スレートが傷み、雨漏りの原因となります。
四六時中雨風や紫外線を浴びることで表面が劣化し、屋根の表面やひび割れから雨水が侵入してしまうためです。
それを防ぎ長持ちさせる為に、再塗装などの適切な修繕が必要となります。
築5年目以降は点検!
築5年以上経ったら、年に一回は必ず屋根点検を業者に依頼しましょう。
その際に、少しでも劣化症状が出ていれば塗装が必要です。
一般的に塗装は10年置き、と耳にするかもしれませんが、お家の立地条件によっては、築10年未満でも劣化し始める場合があるからです。
劣化は再塗装しない限り止められません。
劣化が進むことでスレートが割れるだけでなく、そこから雨漏りしてしまう恐れがあります。
メンテナンスが必要な症状
症状が出始めたということは、雨水が侵入出来る状態となっているサインのため、放置すれば雨漏りの原因となり、家の寿命まで縮んでしまうためです。
点検を依頼する際は、このポイントはかならず見てもらうようにしましょう。
苔
屋根が茶色に変色している箇所があれば、苔が繁殖しています。
スレート材が劣化し水をはじかなくなると発生します。
苔の胞子はじめじめしているところを好む性質があるためです。
苔が繁殖すると、スレートに根を張り強度を落としてしまう原因となります。
ひび割れ
ひび割れは、スレートが雨水を吸水し、晴れた日に乾いて乾燥するのを繰りかえすことで発生します。
なぜなら、水分を含むことで膨張し、乾くと収縮する、という動きを繰り返すことで、その負荷に耐えきれなくなるためです。
細いひび割れでも、そこから雨水が侵入し雨漏りの原因となります。
欠け・割れ
スレート自体が欠け落ちて割れてしまっています。
小さなひび割れも放置すると広がってしまったり、衝撃で割れてしまうことがある為です。
割れは数か所程度なら、補修や割れてしまったスレートの交換のみで直せますが、全体が割れてしまうと塗装や補修では直せず、カバー工法や葺き替えとなり、修繕費用が多く掛かってしまう場合があります。
反り
スレートが端から反っている状態です。
水を吸ったスレートが晴れた日に乾燥した際、端から乾くためです。
反った状態をそのままにしていると、隙間から雨水が侵入し、雨漏りの原因となります。
状態によっては補修だけでなく、葺き替え工事やカバー工法工事が必要となり、余分なリフォーム費用が掛かってしまう場合があります。
メンテナンス方法
屋根の劣化状態により、適切な方法が異なります。
点検調査を依頼し、どのような状態か知ったうえで適正な改善策を選ぶ必要があります。
表面が傷んでいる場合は塗装
スレート表面の苔やひび割れが出ているのみの状態なら高圧洗浄後、塗装工事で長持ちさせられます。
塗装工事は、屋根を洗浄したあとに補修や塗装を行い水の侵入を防ぐ工事です。
スレートは紫外線や雨風で劣化してしまっていますが、塗装することで再度防水機能が生まれ水をはじくようになり、苔やひび割れが起こらない状態にできるからです。
全体がひび割れている場合はカバー工事