実は、新築から数年経つと劣化が始まってしまいます。
劣化が進むと、補修に何十万円と掛かってしまうだけでなく、お家自体の耐久性が落ちてしまう恐れがあります。
モルタル壁が劣化し始める
モルタル外壁は新築から3~5年を過ぎると、少しずつ劣化が始まります。
新築時に塗装された塗料は、この時期には紫外線で弱くなっている為です。
このお家は、築後3~5年程で苔が発生してしまいました。
お家の欠陥ではなく、新築時の塗料が劣化して、防水機能がなくなってしまったことが原因です。
実はモルタル外壁は水に弱く、水を吸いこむとコケやひび割れなどの劣化を起こします。
それを防ぐために塗装されているのですが、新築直後はモルタルのアルカリ性が強いせいで、10年以上もつような強力な塗料を塗ることができません。
そのため、ほとんどのお家では3~5年で防水効果が切れて、少しずつコケやカビ、ひび割れなどが起こってきます。
メンテナンス必須! 劣化症状と原因
ご自宅はいまメンテナンスが必要な状態なのかどうか、当てはまるものがあれば、塗装の防水効果が切れているサインです。
まずはグラスビトウィーン担当者に点検を依頼しましょう。
水をかけると水をはじかない
ホースや霧吹き等でモルタル壁に水をかけてみてください。
じわっと染みのようになった場合は、水を吸いこんでいる証拠なので、劣化が始まっているサインです。
日当たりの良い場所に浸み込み症状が出やすいです。
症状が出てきた場合は塗膜が劣化し防水機能が低下していますので、そろそろメンテナンスをご検討ください。
逆に、水玉になって水を弾いているならば、まだ塗料の防水効果が活きているので大丈夫です。
手に粉がつく
モルタル壁を触ってみて、壁と同じ色の粉が付く場合は、塗膜が劣化しているサインです。
防水効果をもっている樹脂成分が、既になくなっている状態だからです。
これは「チョーキング現象」といいます。
塗料は、『色を付ける顔料』と『水を弾く樹脂』成分で出来ています。
顔料は樹脂と混じらない・弾くので、外壁を水から守ってくれています。
油分が切れた状態
しかし油(樹脂)は紫外線によって劣化し、いずれは無くなってしまいます。
防水してくれていた樹脂がなくなると、水は弾かれずそのままモルタルに染み込みこんでいき、モルタルに様々な劣化を起こします。
塗膜の防水効果が切れているという分かりやすい目安なので、チョーキング現象が出ていたら再塗装を検討しましょう。
カビが発生している
苔やカビが発生している場合も、劣化しているサインです。
なぜなら、モルタル壁が常に水を吸い込んでジメジメしている状態だからです。
特に北側等、日陰になりやすい場所に発生しやすい症状です。
苔・カビは外壁に根をはり繁殖するため美観を損ねるだけでなく、モルタル自体の耐久性を落としてしまいます。
ひび割れがある
モルタル壁にひび割れが起きてしまったら、塗装時期のサインです。
この症状も、塗膜が弱ってしまったことで起こるものだからです。
特に窓サッシやドアの周りがひび割れやすいのでチェックしてみましょう。
ひび割れは、雨の日に水を吸い膨張した外壁が、晴れの日に乾いて収縮する、という事を繰り返すことで起こります。
何度も繰り返すことで、外壁に負荷がかかり割れてしまいます。
表面が剥がれている
モルタル表面が剥がれてしまっています。
何年も雨風に晒されることで、モルタルや塗装の付着力が低下してしまった結果です。
この症状は、モルタル外壁の場所に関係なく発生します。
下地が露出している状態のまま放置すると、外壁だけでなく躯体自体が傷む原因となる為、早めのメンテナンスが必要です。
劣化したモルタルの補修
ここでは専門業者が行っている、モルタル壁の補修。
この部分補修は再塗装までの応急処置となります(実際には、塗装工事と一緒に行うことが多いです)。
気付いたところだけ部分補修しても、モルタル全体の防水効果がないままでは、他の場所がまた傷んできていたちごっこになってしまいます。
部分補修をしたら、なるべく早めに全面塗装も検討しましょう。
ひび割れ補修
ひび割れは、補修材で埋めることで応急処置が可能です。
業者に依頼した場合、約1~5万円/箇所ほどになります。
【補修手順】
①ひび割れの周りの汚れを落とす
②補修材をひび割れに沿って充填していく
③ヘラではみ出した補修材を平らにならす
④補修材が固まったら完成!
表面の浮き・剥がれの補修
経年劣化で剥がれたり浮いたりしている箇所は、塗装や左官補修で直していきます。
業者に依頼した場合、約1~6万円/箇所になります。
【補修手順】※塗装の場合
①剥がれている箇所や、周りの汚れをとる
②砂骨ローラー(凹凸模様のついたローラー)で外壁用の下塗り材を塗る。
③上から上塗りを行い、完成。
※面積や状態によっては、左官補修といい、モルタル自体を造り直す方法をとることもあります。