「用語として何となく知ってはいるけど、どんな屋根に行うどんな工事なのか、よく分からない」という人のために、今回のコラムでは、
- コロニアルとは何なのか?
- 屋根カバー工法とは何なのか?
- カラーベストの屋根カバー工法の費用は?
- 屋根カバー工法の施工手順は?
- 屋根カバー工法の業者探しのポイントは?
という疑問に、屋根リフォームのプログラスビトウィーンがお答えします。
また、実際にコロニアルに屋根カバー工法を採用した事例も、いくつか紹介します。
「コロニアル」とは?
陶器瓦の約3分の1の軽さで、耐震上、住宅への負担が少ないことから、多くの戸建住宅で採用されています。
また、ケイミュー社の商品ではなくても、スレート屋根材のことをカラーベストと呼ぶ方もおられます。
自分の家の屋根がカラーベストなのかどうか、気になっている人も多いと思います。
「自宅の屋根がカラーベストかどうか分からない」という場合は、お住まいの地域の屋根の専門業者に、1度相談をしてみましょう。
「屋根カバー工法」とは?
屋根カバー工法とは、現状の屋根材の上から新しい屋根を被せる(カバーする)工法のことです。
新しい屋根を重ねることから、「重ね葺き」ともいわれます。
屋根リフォームでよくある「葺き替え工法」との違いは、既存の屋根を撤去しない点です。
葺き替え工法では、既存の屋根材や下地を全て撤去しますが、屋根カバー工法では撤去しません。
そのため屋根カバー工法には、工期短縮やコストダウンといったメリットがあります。
しかし、どんな屋根でも屋根カバー工法を施せるわけではありません。
屋根カバー工法でリフォームできる屋根は、主に以下の条件があります。
- 既存の屋根がスレート材(コロニアルなど)や板金屋根などである
- 屋根の下地が著しく劣化または雨漏りしていない
<詳しくはコチラ>
→ 屋根のカバー工法とは?葺き替え工事との違いや
カラーベストの屋根カバー工法のメリット
- 工事費用を安く抑えられる
- 工事の期間が短い
- 屋根の防音性や断熱性が高まる
- 屋根の構造材がほとんど傷まない
屋根葺き替え工事と比べ、屋根カバー工法には、上記のような様々なメリットがあります。
加えて説明しておきたいのが、アスベストの飛散リスクの低さについてです。
昔のカラーベスト(~1990年代前半)にはアスベストが含有されていることがあり、葺き替え工事を行う場合には、廃材の処理費が非常に高額になってしまいます。
アスベストが含有されている昔のカラーベストにおいて、屋根カバー工法を採用することで、アスベストの飛散リスクを抑えつつ、高額な廃材処理費用も発生しないという、メリットを受けることができます。
カラーベストの屋根カバー工法の費用
一般的な形状・広さの戸建住宅において、屋根カバー工法の標準的な費用相場は、「屋根面積(㎡) × 11,000円」に「足場代約20万円」を足した金額です。
30坪の家(戸建の平均的な坪数)だと、約80~90万円ほど必要になります。もう少し細かく、イメージしてみましょう。
<100㎡(棟12m)のコロニアルをディーズルーフィングでカバーする場合>
- 足場代:20~30万円
- 防水シート(ルーフィング):700~1,200円/㎡→100㎡で7〜12万円
- 棟板金工事:3,000〜5,000円/m→12mで3.6〜6万円
- ケラバ、軒先、雪止めなど:10万円程度
- 諸経費・管理費:工事費の5~8%程度
- 新規屋根材(ガルバリウム):5,000〜10,000円/㎡→100㎡で50万円〜100万円
→ 合計:95万円〜145万円(税抜)
なお、実際の費用は屋根の構造(形・階数・屋根の有無・周囲の状況)によって、決まります。
「足場の費用が結構高い!」と思う人が多いかもしれません。
せっかく足場を組むなら、外壁修理・外壁塗装も同時に施工すると、足場を組む回数が少なくて済むぶん、費用対効果は上がります。
カラーベストの屋根カバー工法の施工手順
- 足場組立・養生シート
- 棟板金・雪止め金具の撤去
- 防水シート張り
- 屋根本体張り
- 板金下地取り付け
- 棟板金の仕上げ
- 仕上げ確認
- 足場解体
上記は、コロニアルの屋根カバー工法の大まかな流れです。
「既存の屋根材の上に、新しい屋根材を被せる」ということだけ聞くと、単純な工事だと思えますが、実際は複雑な工事を行うため、きちんと実績のある業者に工事を任せることが大事です。
少なくとも、防水シートや屋根材に関する知識が豊富で、板金まで綺麗に仕上げられる業者を見つけなくてはいけません。
屋根カバー工法の業者探しのポイントについては、記事の最後で説明しましょう。
カラーベストの屋根カバー工法の施工事例
【1】コロニアル→ディプロマットへの屋根カバー工事 東京都町田市
施工費用 | 施工面積 | 工期 |
120万円 | 69平米 | 5日 |
屋根の経年劣化でリフォーム工事を考えているお客様でした。
台風で屋根材の一部が飛んで破損していましたが、雨漏りはしていなかったことと、今後のライフプランを考慮し、屋根カバー工法を提案しました。
新しい屋根材は、軽量で耐久年数が長い「ディプロマットスター」にしました。
ディプロマットの表面には小さい石粒があり、強い摩擦抵抗と石が持つ蓄熱の特性によって、雪止め無しでも滑雪する心配が少ないため、積雪地域には特にオススメです。
また、表面石粒の凸凹は、雨粒を拡散させる効果があり、通常の平滑な表面に比べ雨粒が小さくあたります。つまり、鋼板屋根にありがちな、うるさい雨音を抑えることができるのです。
コロニアルの屋根カバー工法の業者探しのポイント
- ネットで調べる(ホームページなど)
- 家を建ててもらった工務店やハウスメーカーに相談する
- 近所の看板を確認する
- 投函されたチラシを確認する
- 屋根業者比較サイト(ポータルサイト)に登録する
- 知り合いの紹介を受ける
- 自治体で紹介を受ける
上記は、コロニアルの屋根カバー工法を行ってくれる業者の探し方です。
どの方法においても、基本的には「地域で長く信頼を得ている業者」を見つけることがベストとなります。
優良な屋根カバー工事の業者を見つけるためのポイントですが、まず、担当者と話している時の相性や、担当者の説明の分かりやすさが手がかりになります。
「なんとなく感じが良い」は根拠のない基準だと思われるかもしれませんが、意外にも大切なことで、工事中はもちろん工事後も長く付き合う可能性があるからこそ、ストレスなく話せて説明もきちんと理解できる業者を選ぶべきです。
業者によっては自社施工保証が無かったり、リフォーム瑕疵保険の対象事業者ではない場合があります。
そのような業者で工事を行うと、後々発覚した施工不良などについて、責任を問うことができません。リスクが高いので必ず口約束ではなく、保証書を発行してもらえる業者に工事をお願いしましょう。
また、過去の施工実績をホームページなどで公開していて、
- どのような工事を行っているのか
- どれくらいの実績があるのか
- 工事後にどのような仕上がりになるのか
といったことが分かる業者は安心度が高いです。
施工実績をよく見ることで、「その業者が何の工事を得意にしているのか?(屋根カバー工法はできるのか?)」を、推測することもできます。
さらに、見積を依頼する際には、比較検討できるよう1社だけではなく3社に依頼することをお勧めいします。
また、屋根業者選びをする際、何を業者に質問したらよいのか分からないとおっしゃる方もおられます。以下のブログを参考にされてください。
- カラーベストとは何なのか?
- 屋根カバー工法とは何なのか?
- カラーベストの屋根カバー工法の費用は?
- 屋根カバー工法の施工手順は?
- 屋根カバー工法の業者探しのポイントは?
について、屋根リフォームを検討中の方の参考になっていれば幸いです。
当社『グラスビトウィーン』では、屋根に関する様々な観点に向き合い、最適な屋根工事を提供しています。