ジンカリウム鋼板
ジンカリウム鋼板は、ガルバリウム鋼板と同様の金属メッキ鋼板(石粒などの化粧がされていない状態のもの)の事を指します。
しかし日本で見かけるジンカリウム鋼板は、鋼板の上に石粒をコーティングした自然石粒付き鋼板(自然石粒仕上げ)がほとんどのため、自然石粒付き鋼板全般を「ジンカリウム鋼板」と呼びます。
ジンカリウム鋼板
自然石粒付鋼板は、ガルバリウム鋼板やジンカリウム鋼板の上に細かい石粒をアクリル樹脂などでコーティングした製品のことを言います。
名称や呼び方も様々で
*ジンカリウム鋼板
*自然石粒付き鋼板
*石粒付鋼鈑
*自然石粒付化粧鋼板
等と呼ばれますが、上記4つとも呼び名は異なるものの同じ材質です。
自然石粒付き鋼板(ジンカリウム鋼板)
つまり、ガルバリウム鋼板とジンカリウム鋼板は同じ素材の金属板ですが、
★ガルバリウム鋼板⇒金属メッキ鋼板
★ジンカリウム鋼板⇒自然石粒付き鋼板
と認識しておくと分かりやすいでしょう。
ジンカリウム鋼板の長所
ジンカリウム鋼板は他の屋根材と比較して耐久性、耐震性、遮音性、断熱性に優れ、見た目も良好な優れた屋根材です。
■屋根材の性能比較
ジンカリウムは、同じ金属であるガルバリウム鋼板の上に石粒をコーティングしているので、ガルバリウム鋼板より様々な点で優れています。
耐久性は30年~50年
ジンカリウム鋼板の耐久性は30年~50年です。
本体へ付く保証も
・本体の錆が原因となる雨漏り
・表面石粒の極端な剥がれ
・表面石粒の極端な色褪せ
に対して30年の長期保証が付く製品もあり、耐用年数は約50年とされています。
ジンカリウム鋼板は表面に天然の石粒がコーティングされています。
石粒の発色方法は陶磁器、磁器タイルや茶器などに使われるセラミックコートが施されています。
温もりのあるセラミックコートを施したディーズルーフィングは再塗装不要です。
色褪せの心配がないので綺麗な状態を長期間保つことができます。
塩害に強い
ジンカリウム鋼板は塩害にも強いので、海沿い地域でも長持ちします。
ジンカリウム鋼板は表面石粒の仕上げにセラミックコーティングを行っているので、元々の素材は金属ですが、塩害にも強い耐久性を発揮します。
セラミックは金属や酸素・窒素・炭素などで構成されている化合物で、非常に丈夫で摩擦や雨水に強く、紫外線や塩害からも保護してくれる特徴があります。
セラミックの素材を利用した身近なものはフライパンです。汚れがつきにくいためお手入れが非常に簡単です。このコーティングがあるため、ジンカリウム鋼板は金属ですが海沿いの地域でも安心して使用できます。
軽量で地震に強い
ジンカリウム鋼板は軽量で地震の揺れに対しても耐える事ができる強い屋根です。
一般的な瓦屋根の重量が約50㎏/㎡です。
それに対してジンカリウム鋼板の重量は約1/8の7㎏/㎡です。
新築時に使用されている屋根材の中でも、軽量屋根材として使用頻度の高いスレート屋根と比較しても約1/3の重量しかありません。
*スレート・・・約21Kg *アスファルトシングル・・・約15Kg *瓦・・・約50Kg *ガルバリウム鋼板・・・約5Kg *ジンカリウム鋼板・・・7Kg
地震が起きると、地面から縦の揺れと横の揺れが起こり建物に荷重がかかります。
建物に重量のある屋根材を使用していると振動による揺れが大きくなり、建物の損傷も大きくなります。
損傷した状態で2次災害を受けてれば、最悪倒壊の恐れも出て大変危険です。
屋根に軽い材料を使用すれば、地震の際に建物にかかる負担を減らすことができます。
ジンカリウム鋼板は、そんな地震に強いお家にしたい方にもおすすめの軽い屋根材です。
ジンカリウム鋼板は断熱・遮音効果も高い屋根材になります。
断熱効果
断熱効果が得られる理由の1つは、表面に加工されている石粒です。
石粒があることでガルバリウム鋼板のように金属板がむき出しの状態ではないため、鋼板本体金属への熱伝導率が低くなり、断熱効果を発揮します。
さらに、屋根材の形状から空気層があることからも、断熱効果が得られます。
ジンカリウム鋼板製品の形状から、屋根材と屋根下地との間に十分な空気の通り抜けられる層を作るので、屋根から室内への熱を伝えづらくなります。
遮音効果
遮音効果が得られる理由は表面石粒により出来る凸凹です。
通常の平らな面と比較して凸凹があることで、表面に当たる雨粒が小さくなります。
それにより石粒が雨音を拡散するので、室内に雨音を響きにくくする効果が出ます。
メンテナンスコストが安い
ジンカリウム鋼板は石粒加工やコーティングがあるおかげで長期間汚れにくく、再塗装の必要がありません。
その分、メンテナンスにかかるコストを安くすることができます。
ジンカリウムの屋根は、基本的に8層ほどの構造になっています。
同じ金属屋根でも、ガルバリウム鋼板は色褪せが気になる場合や機能性を維持するための定期的な塗装が必要となります。
しかしジンカリウム鋼板なら、自然災害などの不測の事態を除き、美観を保つための定期的な塗り替えや基本的なメンテナンスが不要になるため、その分コストを安く抑えることができます。
リフォームにも適している
ジンカリウム鋼板は新築だけでなく、リフォーム工事の葺き替えやカバー工法にも適した扱いやすい屋根材です。