近隣挨拶・外壁塗装・屋根葺き替え・工事の流れ
工事中は、足場の組み立てや車の出入りなどでご近所様にご不便・ご迷惑をおかけするので、必ず工事が始まる前にご挨拶に伺います。
工事の内容、期間などを説明します。
こうすると、多くの方が「お互い様だから」と言ってくださるので、今後のご近所付き合いのためにも伝えておくと良いでしょう。
挨拶は通常、工事の1週間前~前日までに行います。
1日目:足場着工 車の出入りに注意
足場架設
塗り替えを行うためには、効率性・安全性を上げるために作業用の足場が必要です。大きなトラックで資材を運んできて組み立てます。
組み立てた後はメッシュシートも設置します。塗料の飛散防止のほか、職人の落下防止など安全面でも大事な作業です。
金属をしっかり組み上げる作業ですので、どうしても音が出てしまいます。
ご近隣への挨拶の際にも一言伝えておくことおススメします。
期間:半日~1日
車を移動しておく
万が一にもお車を傷つけてしまっては大変ですので足場作業の日は車を移動しておきましょう。
また、足場自体が駐車場にかかってしまうお家もあります。その場合は工事期間中は別の駐車場を確保する必要があります。
どこまで足場が組まれるか、車は停められるかは聞いておきましょう。
鉢植えや置き物は壁から離れたところへ動かす
多少であれば業者側もやってくれるので、大事なものだけ自分でやってあとは勝手に動かして良いですよ、と言ってやってもらうこともできます。
その場合は、大事な植木やお花などは「これは傷つけないよう注意してください」と予め業者へ伝えておきましょう。
プロパンガスは着工前に補充しておく
足場が組まれてしまうとプロパンガスの出し入れができなくなります。
プロパンをご利用の方は、足場組み立ての前に必ず補充をしておくことおススメします。
2日目:高圧洗浄 ご近隣への水跳ねに配慮
高圧洗浄
外壁の塗装面にこびりついたカビやコケ、藻、汚れ、ほこりを高圧の水流によって洗い落として、塗料の接着をよくするために行います。
天候、気候によっては終わってから乾燥させる日を空ける場合があります。
期間:半日~1日
工事中の洗濯物外干しは基本的にNG
洗浄の日は水が飛ぶのでもちろんですし、塗装が始まってからの塗料も多少飛散します。
お洗濯ものに付くと落ちなくなってしまいますので、洗浄が始まったら、塗装工程が終わるまでは外干しができないと考えておきましょう。
お隣さんには、洗浄の日だけは洗濯物を外干しないようお願いしておく
メッシュシートがあっても水しぶきは周りに飛んでしまいます。
お隣さんには洗浄の日程も伝えておいて、万が一にもお洗濯ものを汚してしまわないよう気を配りましょう。
窓の鍵は全て閉めておく
水圧で窓が開いてしまう場合があります。水が入らないよう鍵を閉めましょう
窓シャッター、雨戸は開けておくと中のガラス面も洗浄します。
窓の洗浄
せっかくお家を丸洗いするので、普段なかなか掃除できないところをついでに洗浄してもらうとお得です!
「ガラスや網戸も水流してもらえますか?」と事前に確認してみましょう。水で洗い流してもらうだけですっきりします!
洗浄用の水は施主様負担で、500円~1,500円程度
高圧洗浄をするときはお家の水道を使用するのが一般的です。
その月だけ水道代が何万円も跳ね上がる…ということはありませんのでご安心ください。
洗浄だけは雨でも実施できる
※通常、雨天時は工事をしませんが、洗浄だけは雨天でも問題ないこと、またご近隣もお洗濯をしないので迷惑がかからないという理由で、実施する場合があります。
3日目:下地調整 気になる剥がれや錆の場所をチェック
下地調整
洗浄で落ちない著しい汚れやサビなどがある場合は、主に手作業できれいにしていきます。
汚れやほこりなどを掃除する他、サンドペーパーやナイロンたわしのようなもので研磨をして素材表面に微細なキズをつけて荒くし
塗料の密着性が高まるようにしてあげます。
サビ以外にも、木が傷んで毛羽立っているようなところやボード材の表面がはがれているところも整えていきます。
期間:数時間~半日
劣化が気になる鉄部、木部を伝えておく
基本的には職人さんが全体を見てやってくれますが、特に気になっているところがあれば念のため伝えてあげると良いでしょう。
(玄関の柱で目につくからここは丁寧にやってほしい、など)
家主が気にしているとわかれば、良い職人ならより気合を入れてやってくれるものです。
4日目:コーキング工事※サイディングボード、ALCの家のみ
コーキング(シーリング)とは、ボードとボードの境目、また窓などサッシ周りにある入っているゴム状の素材です。
境目(目地)のコーキングは「打ち替え(交換)」をします。
コーキングの打ち替え
古くなったコーキングは基本的にすべて撤去、交換になります。
雨水の侵入を防ぐために必ず必要な工程です。
サッシ周りのコーキングは、「増し打ち(追加)」をします。
コーキングの増し打ち
目地と同じようにカッターで撤去しようとすると、サッシやサッシ沿いにある防水シートを傷つけてしまいかえって雨漏れの原因になる可能性があるので
上から追加が基本です。
壁面とサッシはほぼ直角に角度があるため、増し打ちでもコーキングの肉厚を保つことができます。
期間:1日
触ったり服に付いたりしないように注意!
コーキングも乾くまでに半日ほどかかることがあります。
お洋服に付くと落ちにくいので注意しましょう。
新しいコーキングは艶、弾力があって小さなお子さんも気になるかもしれません。
触らないように注意してみてあげましょう。
5日目:養生 しばらく窓が開けられないので注意
養生
養生とは、ビニールやテープ、布などで覆って塗料の飛び散りを防ぐ作業です。
家の塗り替えは、ローラーや刷毛(ハケ)で塗装することがほとんどで、少なからず周りに塗料が飛び散ります。
ただ、家には塗料がついてしまうと不都合な場所がたくさんあります。アルミサッシ、窓、地面の床、植木や植物などです。
こうした塗装しない場所を保護するのが養生作業です。
期間:1日
基本的にすべての窓が開閉できなくなる
シャッターや雨戸も動かせなくなります。風通し、日光を入れるといったことができなくなりますのでご注意ください。
※開けられるように工夫して養生できる場合もあります
■工夫養生の例
工夫養生
リビングやお風呂場など、どうしても開けたいところある場合は、職人や現場担当者に相談してみてください。
(窓の形状や足場との兼ね合いでできない箇所もあります。)
玄関前など足元は滑りやすいので注意
玄関の養生
人が歩くところの養生は、滑りにくい専用ビニールを使いますので、ものすごく滑りやすくて危険、というわけではありませんが
やはりいつもと違う状態になっています。
特に雨の後などは、念のため注意しておくとよいでしょう。
枯れないか心配な植物は、まめに養生を外してもらう
植物もビニールや布を被せて養生しますが、繊細だから通気が悪いと枯れそうで心配…という場合は
その付近を塗るときだけ養生布を被せてもらい、終わったら外してもらう、という対応をしてもらいましょう。
エアコンは通常通り使えます!
エアコン養生
エアコンなどの室外機は、通気ができる専用のカバーで養生することが多いです。
工事中もいつも通りに使用できますので夏場、冬場の工事もご安心ください。
養生ビニールは半透明なので、窓から中が丸見えになる心配はなし!
養生
工事中は職人さんの視線とか気にならないかしら…と心配する奥様もいらっしゃるかもしれませんが
基本的に養生ビニールは半透明なので中は見えません。
工事中もお家の中でゆっくりお過ごしいただけます。ご安心ください。
6日目:下塗り 仕上がり色とは違う色の場合が多い
下塗り
下塗りの主な役目は、その上から塗る塗料が剥がれないように接着させることや、小さいひび割れを埋めることです。
外壁材や木部、鉄部など素材によって下塗り材も変える必要があります。
期間:1日
仕上がり色とは違う色の場合が多い
いずれの下塗りも、仕上げの色とは違う色のこと(主に白)が多いです。
「希望した色と違う!」と慌てなくて大丈夫です!
この後の中塗りで徐々に選んだ色に塗り替わっていく様子が分かりやすいので楽しんでご覧になる方も多いですよ。
大きなひび割れは別途補修
クラック補修
下塗り材でも埋まらないひび割れなどがあった場合は、コーキング材などでの補修を入れてから次の工程に進みます。
特に気になっている割れ部分があったら、事前に伝えておきましょう。
臭いが入らないよう、換気扇は止めましょう!
下塗りは、中塗り・上塗りよりは弱いですが、敏感な人は臭いが少し気になるかもしれません。
空気を入れ替えた方がいいかな?と思って窓を開けたり換気扇を回したりすると逆に臭いが入ってきてしまうので、絶対にやめましょう。
塗料の臭いは、乾けばすぐに飛んでしまいます。
塗って数時間、遅くとも翌日には気にならなくなりますのでご安心ください。
ただ、家の中に入って布や壁紙などについた臭いは残りやすいです。「臭いをお家に入れない」のが一番ですので覚えておきましょう。
7日目:中塗り
中塗り
中塗りは、いよいよ選んだ色に近づいていく工程です。
凹凸のある外壁の場合、凹みの部分は刷毛で先に塗り、最後にローラーで仕上げていきます。
またお家が塗り替わっていく様子が一番分かるところですので、作業途中や夜にご帰宅された際に
印象が変わったところを見るのをぜひ楽しみにしてみてください。
期間:1日
塗料の使用量が正しいかチェック
塗料を計量する様子
職人がはかりを使って塗料を量っているかどうかや、使用量の記録があるかを確認しておきましょう。
なぜなら、塗料が性能を発揮するためには、決められた正しい量を守る必要があるからです。
薄めてしまってはもちろん効果も弱まりますし、厚く塗りすぎても仕上がりが悪くなります。
絵具と違い、塗料は薄めても色が変わらないため、見た目だけではプロでも判別ができません。
8日目:上塗り
上塗り
上塗りは、一般的な塗料では中塗りと同じものをもう一度塗ります。
※塗料、仕様によって違う物もあります
艶有り塗装の場合は、上塗りをすることで美しい艶が現れてきます。
艶無し塗装の場合は、ここで艶消し材を混ぜた塗料を塗り、乾くとマットな仕上がりになっていることが確認できます。
期間:1日
乾燥期間を空けているか確認
塗料カタログには必ず乾燥期間(塗装間隔)が記載されています。
基準通りの塗装間隔を守らないと、お家を保護する塗膜が作れません。
時間を守っているか・乾く前にすぐ塗っていないか確認しましょう。
1日1工程であればほぼ確実ですが、気になる方はカタログ裏面を見てみてください。
上塗りが乾けば、窓の開閉ができる場合があります。
ここまで養生ビニールのせいで窓を開けることができませんでしたが、上塗りが乾けば
残りは細かな作業がメインになりますので、養生を外してもらえる場合があります。
※他の作業内容によってはすぐ外せないこともあります。
日曜日など現場作業がお休みの日と重なったらベランダに出てお洗濯物を干したりもできますので、上塗りが終わったら、ぜひ業者さんに確認してみましょう!
9~10日目:附帯物塗装
シャッターボックス塗装
雨樋塗装
附帯物塗装とは、お家についている外壁以外の様々な部位も一緒に保護していくための塗装です。
何回も足場を組む費用を抑えられますし、壁が綺麗になると他の部分も一緒に綺麗にしたくなるのでセットで行う方が多いです。
刷毛やローラーの跡が残らないよう、丁寧さや細やかさが求められる工程です。
例:破風板、軒天井、雨樋、雨戸、戸袋、シャッターBOX、水切り板金など
期間:1日~2日(他の工程と並行して進められる部分もあります)
建材に合った塗料を使ってもらう
見積もり書の段階で、附帯物もどんな塗料を使うのか記載してもらいましょう。
細かな附帯物を「その他一式」などと書かれている場合は要注意です。
なぜなら、附帯物は素材も様々だからです。(例:破風板は木、雨樋は塩化ビニル樹脂、換気フードはスチール等)
下塗りもそれぞれに使い分ける必要がありますし、素材に合わない塗料をそのまま使ってしまってそこだけ先に剥がれてしまったりしたら残念ですよね。
小さなところですが、附帯も大事なお家の一部です。
屋根の葺き替え工事の全7工程をご紹介します。
工事全体の期間は一戸建ての屋根の場合はおよそ1~2週間ほどです。
1工程ごとに作業内容や作業時間、注意点なども一緒にご紹介しますので工事前に把握しておきましょう!
足場架設
まず初めの工程が「足場架設」です。
屋根の工事は高所作業のため、足場が必要になります。
また、近隣にほこりなどが飛ばないように「養生シート」を張っていきます。
一般的な一戸建ての住宅であれば足場架設は半日ほどで終了します。
~注意点~
・足場は必ず「ビケ(クサビ式)足場」を使用してもらいましょう!パイプをつなげただけの「単管足場」は法律違反です。
・足場架設日が決まったら、近所の方へ事前に挨拶してもらいましょう。
既存屋根撤去
屋根材撤去
2つ目の工程は「既存屋根撤去」です。
元々ある屋根材を下ろして、処分します。
アンテナが設置されている場合は、少し浮かせて屋根材を撤去します。
雨が降った時に雨漏りしてしまう危険性があるので撤去~防水シート敷きまでを大人数で一気に行なうことが多いです。
下地板設置
野地板 設置
3つ目の工程が「野地板の設置」です。
既存の下地の上から野地板を増し張りしていきます。
時間は5~6時間ほどです。
~注意点~
野地板を固定するのにビス打ちの音が鳴ってしまうので近所の方に事前に挨拶しておくと安心です。
防水シート敷き
防水シート
4つ目の工程が「防水シート敷き」です。
防水シートを敷くことで室内に雨が入るのを防ぐことが出来ます。
時間は同じく2~4時間ほどです。
~注意点~
防水シートは隙間なく敷いてもらわないと、雨漏りしてしまいます。
防水シート敷きが完了した後の写真を撮って見せてもらいましょう。
新規屋根設置
屋根材設置
5つ目の工程が「新規屋根設置」です。
新しい屋根を葺いていきます。
屋根を葺くだけでなく、横から雨が入らないように板金などで隙間を覆っていきます。
ここからの作業は雨漏りの心配がないので、人数を減らして行う場合もあります。
作業人数や屋根の大きさにもよりますが2~5日ほどかかります。
~注意点~
・屋根を固定するビスは錆びていないか写真を撮ってもらい確認しましょう。
板金・雪止め設置
板金設置
5つ目の工程は「板金・雪止め設置」です。
新しい屋根を葺いたら、雨が入らないように板金や雪止めを設置していきます。
新しい屋根にしても板金の処理や雪止めの設置が甘いと雨漏りの原因になるので丁寧に行なっていきます。
新規屋根設置と平行に行なっていく場合もあるので作業日数は1~3日程度です。
足場解体
屋根葺き替え工事が終了したら、「足場解体」を行ないます。
足場を立てる職人は屋根工事の職人とは別なので、屋根工事が終わってから数日開くこともあります。
作業自体は架設時同様、半日程度で終了します。
~注意点~
足場架設時同様、大きな音が鳴ったり、大きなトラックが来るため近隣への挨拶は事前に済ませておきましょう。
※工事当日の天候や下地の状況によっても多少日数は変更になります。